ハードエイト 【ネタバレあり】あらすじ
シドニーはまず薄汚い格好のジョンに新品の服を買い与え、カジノに着くと、ギャンブルの手ほどきをする。ジョンはシドニーの教えに従うことで、見事に2000ドルもの大金を稼ぐ。シドニーは、このまま母親の葬式代を稼ごうと画策するジョンに対し、この方法で6000ドルを稼ぐのは無理だと告げ、ロサンゼルスの友人が手を貸してくれると、助言を与える。
「君に親切にするのは利己的な理由からじゃない。私にも同じく親切に」
シドニーはジョンにそう告げると、ジャケットを羽織ってカジノへと足を運ぶ。
2年後。ネバダ州、リノ。一人前のギャンブラーとなったジョンは、友人であり、ラスベガスのカジノクラブ「デューン」の従業員を務めるジミー(サミュエル・L・ジャクソン)を、シドニーに引き合わせる。しかし、シドニーはジミーの品のない態度を気に入らず、ジョンはジミーを連れて席を離れる。
ジョンはカジノのウェイトレス・クレメンタイン(グウィネス・パルトロー)と付き合っている。シドニーは、クレメンタインがジョンに内緒で売春に手を染めていることを知り、彼女を呼び出して話をする。シドニーは彼女をジョンの部屋に連れて行き、父親のような振る舞いで、2人の仲を取り持つのだった。
朝食後、カジノに向かったシドニーは世間知らずの若者(フィリップ・シーモア・ホフマン)と勝負し、見事に勝利する。
その後、シドニーは突然ジョンに呼び出される。ジョンの話によると、クレメンタインが見知らぬ男(F・ウィリアム・パーカー)と金銭トラブルになり、顔を殴られてしまったのだった。そして、激怒したジョンは男に暴行を加え、部屋で監禁しているという。
さらに、ジョンは男の妻に電話をかけ「夫を殺されたくなければ金を届けろ」と指示していた。シドニーは警察に通報されることを危惧し、ジョンが持っていた銃を取り上げ、その場を落ち着かせようとする。その際、ジミーがこの件を知っていることが判明する。
シドニーは一連のトラブルがクレメンタインの軽率な行動に端を発していたことを知り、彼女を叱責。すると、ジョンは父親同然のシドニーに対し、「妻を侮辱するな」と怒りをあらわにする。呆れたシドニーは2人のもとを去るが、慌てて追いかけにきたジョンに呼び止められる。
シドニーはジョンに対し、「遠くに逃げろ」と説得。しかし、クレメンタインは「男は金を払うべきだ」と言って聞かない。シドニーの協力も手伝い、クレメンタインは身代金を諦め、ジョンと遠くに逃げることを承諾。2人はシドニーからアドバイスを受け、カナダの「ナイアガラの滝」を目指して出発する。
シドニーは2人を見送ると、クレメンタインから渡された結婚式のビデオを鑑賞し、2人の将来に思いを馳せる。
それからしばらく経ち、シドニーはジミーに呼び出される。ジミーはシドニーの“ある秘密”を知っていた。シドニーはかつてジョンの父親を殺害していたのだ。ジミーはシドニーに銃を向け、口止め料として1万ドルを要求。シドニーは銀行口座にある6000ドルをジミーに渡し、手打ちにする。
その後、シドニーはジョンと電話越しに会話をする。ジョンはシドニーに感謝を告げ、シドニーはジョンに「我が子のように愛している」と言う。元マフィアのシドニーは、ジョンの父親を殺した罪悪感に苛まれており、ジョンに目をかけることで罪をあがなおうとしていた。シドニーは銃を持ってジミーの家に向かい、彼を銃殺する。これでシドニーの秘密を知る人物はいなくなった。
何も知らないジョンとクレメンタインはカナダへの旅を続ける。一方、ジミーを殺害した直後のシドニーは、朝食の席に着き、血のついたワイシャツの袖をそっと隠すのだった。