シンセサイザーが奏でる壮麗なスコア―音楽の魅力
本作の音楽を担当するのはヴァンゲリス。『炎のランナー』(1982年)などで知られるギリシャの音楽家だ。
ヴァンゲリスは、本作の楽曲に「生きた呼吸をする歌手」と呼ばれたヤマハのシンセサイザー「CS80」を使用。壮麗な音色で宇宙の壮大さを表現している。早速、サウンドトラックから印象的な音楽を紹介しよう。
まず冒頭に流れる「メイン・タイトル」は、シンセサイザーの神秘的な音色が印象的な楽曲。ブラスやストリングス系の音に使われるノコギリ波に、星のきらめきを示すチャイムの音を加えることで、幽玄な雰囲気を醸し出している。
「愛のテーマ」は、メロウなシンセサイザーの音色が印象的なロマンチックな楽曲。作中では、デッカードとレイチェルのラブシーンで流れ、メロウな雰囲気と共に、結ばれることのない2人の悲しみを演出している。
「ワン・モア・キス」は軽快なピアノの音色と伸びやかな男性ボーカルが印象的な本アルバムでは異色の楽曲。曲中盤で入るブラスセクションの音色と相まって、レプリカントの悲しい運命を示唆する哀愁をかき立てる音楽に仕上がっている。
【関連記事】
史上最も難解な結末のSF映画は…? 曖昧なラストシーンで有名なSF映画5選。一度の視聴では理解不能な作品をセレクト
怖いほどリアルに未来を予測したSF映画は…? 歴史に残る名作5選。AI化が進む今だからこそ観たい珠玉の傑作をセレクト
映画『サイコ』映画史に残る殺人シーンを徹底解説。一度は観るべきサスペンス映画の金字塔 <あらすじ 考察 評価 レビュー>