ヨン・サンホ監督は『寄生獣』の大ファン
また何と言っても今作の大きな魅力は「迫力満点のアクションシーン」である。監督を務めたのは『新感染 ファイナル・エクスプレス』でもメガホンをとったヨン・サンホ。彼はもともとアニメ監督出身である。
好きな監督に『パプリカ』(2006)の今敏を挙げる ほど、マンガ・アニメ好きであり『寄生獣』の大ファンだったそうだ。
そんな背景もあり、まずCGの技術力が凄まじい。『寄生獣』は寄生された人々の頭や体が変形する。頭が割れて筋肉が枝分かれしたり、エリマキトカゲみたいに広がったりする。原作ファンは、通称「顔面ぱふぁ」と呼んでいるアレだ。
山崎貴監督作品の完成度も素晴らしかったが、今作ではとにかくこの「変形」の映像描写がすごかった。ちゃんとグロテスクだ。そのうえで戦闘描写がスピーディであり、スタイリッシュなので見ていて楽しい。
今作のCGチームは事前に山崎貴作品を参考にして制作したという。もともと視覚効果出身の山崎監督へのリスペクトも存分に感じられる仕上がりとなっている。