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ラジオ番組から流れる名曲のかずかず—音楽の魅力

© 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.
© 1991 Dog Eat Dog Productions Inc All Rights Reserved

本作には、他のタランティーノ作品同様、1970年代から80年代のヒットソングが数多く使われている。

中でも最も印象的なのは、オープニングを飾るジョージ・ベイカーの「Little Green Bag」だろう。小気味良いベースの音色に合わせて漆黒なスーツに身を包んだ「掃きだめの犬たち」がぞろぞろと歩いていくシーンは、映画ならではのカッコよさがある。なお、タイトルの「Green Bag」はもともと「Greenback(緑背紙幣)」、つまりドル札のこと。歌詞には、お金を探して見つけられなかったものの悲哀が歌われており、本作の内容とも見事にマッチしている。

冒頭で男たちが議論しているマドンナの「Like A Virgin」についても忘れてはならない。作中では、男たちが本曲全体が「巨根」を暗示した曲だと述べているが、これはタランティーノ自身の解釈で、本作を観たマドンナがわざわざタランティーノにCDを送り、愛について歌った曲であると訂正したという逸話も残っている。

また、ミスター・ブロンドがマーヴィンの耳をそぎ落とすシーンで流れる曲は、イギリスのロックバンド、スティーラーズ・ホイールによる「Stuck in the Middle with You」。本曲の歌詞は、身動きが取れない状況にいる二人の人物を歌っており、マーヴィンの心理を見事に表現したこの上ない曲になっている。

なお、本作のエンディングを飾るのは、ハリー・ニルソンの「Coconut」。本曲は、ココナッツを食べたらお腹が痛くなった、という歌詞のどこか間の抜けた曲で、シリアスなエンディングには似つかわしくない人を食ったような音楽だが、なんとも言えない虚無感を感じさせる。

2024年1月5日(金)新宿ピカデリーほか全国公開

© 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.
配給:鈴正、フラッグ

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