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『インターステラー』【ネタバレあり】あらすじ

監督のクリストファー・ノーラン
監督のクリストファーノーランGetty Images

ブランド教授の娘・アメリア(アン・ハサウェイ)、ロミリー(デヴィッド・ジャーシー)、ドイル(ウェス・ベントリー)の三人の博士とともに、AIロボット・TARS、CASEを乗せたパイロットチームは、探査船「レインジャー」に搭乗し、地球を発つ。地球を発ってから2年後、土星近くのワームホームに接近した「エンデュランス(母船)」は、ワームホームを通り抜け、物理学者・ミラー博士が待つ水の惑星「ガルガンチュア」を目指す。

母船である「エンデュランス」から最も近い位置にある「ガルガンチュア」だが、超大質量であるブラックホールの最も内側を公転しているため、そこでの1時間は地球時間の7時間に相当することを物理学者であるロミリーから警告され、早く娘の元へ帰りたいクーパーは躊躇する。(星はブラックホールの軌道上にあるため、ブラックホールに近い惑星ほど重力が強い)

残してきた家族を思い、一刻も早い帰還を願う彼は、「ガルガンチュア」へ向かうことを躊躇するが、公私混同できないため着陸することとなる。

ロミリーを「エンデュランス」に残し、クーパーはCASEと地質学者のドイル、アメリア、とともに水の惑星「ガルガンチュア」へと降り立つ。

しかし、信号を送ったはずのミラー博士は居らず、彼女の着陸戦の残骸だけを持つける。アメリアは、その残骸からデータだけでも回収するため、水の中に入っていく。しかし、「ガルガンチュア」の重力による潮汐力により海水が引っ張られ、山脈のように膨れ上がった巨大な津波が彼らを襲う。

CASEにより、間一髪でアメリアは子船「レインジャー」へ帰還するが、ドイルは波に巻き込まれ死亡してしまう。さらに、「レインジャー」のエンジン内に海水が入り、排出が完了するまで離陸できなくなる。

その間、クーパーはアメリアに、なぜ何年も間、残骸から信号が発せられたと聞くが、ミラー博士が「ガルガンチュア」に到着したのは数十分前であり、彼女が死亡したのは数分前だと、時間の歪みの説明をする。

「エンデュランス」へ戻ると、彼らの帰りを待っていたロミリーはすでに壮年の姿になっており、「ガルガンチュア」で数十分の時間ロスが、23年もの月日が経ったことを知る。受信のみできた家族からのビデオレターは23年分溜まっており、クーパーはそこで家族の成長、そして自分の生存が諦められていることを知る。

一方、クーパーが地球を出発した時と同い年になったマーフ(ジェシカ・チャスティン)は、物理学者となり、ブランド教授のもとで重力の研究を行なっていた。重力の方程式に解を出せれば、巨大な「※スペースコロニー」を打ち上げることができ、人類を地球から脱出させられるというものであったが、ブランド教授が老年で亡くなる間際に、その方程式を解いており、事実上不可能ということを何十年も隠蔽し続けてきたことを明かす。

※宇宙に建造される、地球に近い環境が実現できる巨大な建造物

マーフは、娘であるアメリアへ、父親が亡くなったこと、自分から父親を奪った「ラザロ計画」も意味がなかったことを涙ながらにビデオレターで訴えかける。

23年もの月日が経ち、燃料が少なくなった「エンデュランス」では、信号を送った二人の惑星の内、どちらを探査するか選択を迫られていた。生存信号を発信し続けているマン博士(マット・デイモン)が居る惑星へ行くことを主張するクーパーとロミリーに対し、アメリアはすでに信号が途絶えているエドマンズ飛行士の惑星がより良い条件だと推した。

しかしクーパーは、アメリアとエドマンズが恋人同士であることを見抜き、私情を挟んでいるとアメリアを指摘する。そしてクーパー、アメリア、ロミリー、TARS、CASEは子船「レインジャー」でマン博士の待つ、氷の惑星へ降り立つ。

氷の惑星で彼らは、マン博士が設営したであろうキャンプの近くで、睡眠カプセルと、壊れたAI・KIPPを発見する。睡眠から目覚めたマン博士は、氷の惑星こそが生命体の存在と人類が生きていける可能性があることを伝える。さらに、マーフからのブラドン教授の死を告げたビデオレターを見て動揺するクーパーとアメリアに対し、「ラザロ計画」の本当の目的は、人類の凍結受精卵を新天地の惑星で孵化させ、人類という種を保存するためのもの、つまり、元々”プランB”だったこと明かす。

さらに、「エンデュランス」には、そのための受精卵も搭載されているようだった。地球の人間にこの真実を告げることが、「ラザロ計画」と「プランB」遂行の弊害になると考えたブランド教授は、研究の結果を隠蔽した本当の理由だった。

ロミリーは、「ラザロ計画」の遂行に足りないのは、KIPPのl光通信装置をTARSに移植し、TARSのみをブラックホールに行かせ、内部のデータを送らせることで補えるのではないかとクーパーに提案する。

早速、クーパーはマン博士と共に、惑星の表面探査に行くことになるが、そこでマン博士はいきなりクーパーに遅い赤かり、宇宙服のバイザーを破壊する。マン博士は、氷の惑星に到着した時点で、人類が生存できない環境であることを知っていたのだった。彼は、氷の惑星で孤独に死ぬ恐怖から運命を受け入れれず、何度も地球に生存信号を送っていたのだ。

クーパーは窒息寸前のところでアメリアとCASEに救出されるが、キャンプ場で通信装置の移植作業中だったロミリーは、マン博士が設置した爆弾に巻き込まれ命を落としてしまう。さらに、マン博士は「レイジャー」を奪い、氷の惑星を脱出し「エンデュランス」の乗っ取りを試みる。しかし、ドッキングが不十分であったため、急激な減圧により、マン博士は宇宙空間へと投げ出される。

クーパーとアメリアは、別の子船「ランジャー」に乗り込み、マン博士を追いかけるように氷の惑星を後にする。そして、決死の思いで「エンデュランス」にドッキングさせ、機体を惑星大気圏外まで押し上げることに成功する。

これにより、損傷を負った「エンデュランス」は、地球へ帰還するための十分な燃料と酸素を失ってしまい、地球に戻ることができない二人は、「エンデュランス」を「ガルガンチュア」に接近させ、「スイングハイ(※ぺンローズ過程)」を利用することで、少ない燃料でエドマンズ飛行士が送った信号が途絶えている惑星に向かうことを決意する。

※自転するブラックホールとは逆回転に運動をかけることでエネルギーを取り出す仮想的方式。

これが成功しても、エドマンズ博士の惑星に到着するのは50年後となってしまうが、エドマンズの惑星で「プランB」を遂行させ、人類滅亡の危機を阻止することを決心する。しかし、クーパーの考えは、「エンデュランス」にアメリアを残し、クーパー自身は「レイジャー」に、TARSは「ランダー」に乗せ、切り離しの運動量で、アメリアだけを「ガルガンチュア」を脱出できる軌道に乗せることだった。

そして、クーパーは人類の存続のすべてを彼女に任せ、TARSと共に「ガルガンチュア」の方面へと落下していった。

クーパーは、TARSにブラックホール内部のデータを取り続けるように命じる。そんな中、立方体が幾十にも折り重なった四次元超立方体空間(通称:※テサラクト)へ辿り着く。クーパーはそこで、マーフの部屋を見つけ、さらに、走馬灯のようなものを見たことで、その空間が、地球の過去、現在、未来など、すべての時間と連動していることに気が付く。

※8個の立方体からなる四次元の超立方体のこと。

その空間で、クーパーは重力波を操作し、マーフの部屋の本棚を使った更新を試みるが、ちょうどマーフの部屋では、マーフと喧嘩別れし、ミッションに出発する自分を確認してしまい、過去は変えることができないと悟る。

しかし彼は、過去ではなく未来を変えるためにこの空間に送られたことに気が付き、クーパーはTARSに収集させた、ブラックホールの特異点のデータをマーフの壊れた腕時計にモールス信号として送り続ける。

現在の地球で、実家に戻ったマーフは、かつての本棚の座標を思い出し、自室に戻る。そこで時計を見つけ、かつて幽霊だと思っていた超常現象が父親からのメッセージだったことを悟る。秒針の動きからモールス信号だと気が付いたマーフは、研究所に戻り、ブランド教授が成し遂げられずにいた重力問題に答えを見出す。その瞬間、クーパーが居たテサラクトが閉鎖し始め、彼が土星に辿り着いたとき、ワームホールの中に吸い込まれ始める。そして静かに気を失う。

クーパーが次に目を覚ました場所は、土星の軌道上に建造された巨大なスペースコロニー内部にある病室であった。彼は、漂流中にたまたま探査中だった宇宙船に発見され、酸素残量残り2分という状態で発見されたと説明を受ける。

コロニーの名前は「クーパー・ステーション」。マーフが重力問題を解き、巨大なスペースコロニーの建造と打ち上げが成功し、人類は救済されていたのだ。マーフの功績を讃え、コロニー内には彼女が生まれ育ったかつての家やトウモロコシ畑が再現され、観光地となっていた。

クーパーは早速マーフに会いに行くが、彼女はコロニー内の病室で彼女の大勢の子孫たちと共に、年老いた姿で再会を果たす。マーフは、約束を守り自分の元へ戻ってきた父に対し、アメリアが待つエドマンズの惑星へ、彼女を迎えに行くよう優しく諭す。そしてクーパーは修理したTARSと一緒に、小型宇宙船に乗り込み、「クーパー・ステーション」を後にした。

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