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『戦場のメリークリスマス』【ネタバレあり】あらすじ

©大島渚プロダクション

ヨノイ大尉は、ヒックスリー俘虜長に対して兵器や武器に精通した日本人捕虜の名簿を提出するよう命じるが、日本人への偏見を抱くヒックスリー俘虜長は、理由をつけてそれを拒み、名簿提出を引き延ばそうとする。

ある日ヨノイ大尉はロレンスに対し、自身が2.26事件の際の青年将校の1人であり、偶然満州にいて決起に参加しなかったために一人生き延びたことを恥じているのだと明かす。

捕虜を強姦したカネモトの処罰の日。被害者のデ・ヨンとロレンス、ヒックスリー俘虜長が立会うなか、ハラ軍曹の介錯で切腹が決行するが、同時にデ・ヨンが舌を噛み切り運び出される。

この騒動を機に捕虜全員に「行」と称した48時間の外出禁止と断食が命じられ、ヨノイ大尉もそれを実行する。

セリアズは命令に背いて外でたくさんの赤い花を摘み、捕虜たちとともにデ・ヨンの葬儀を始める。その後セリアズはロレンスと共に連行され、牢に入れられる。

ヨノイ大尉から特別扱いされるセリアズに恨みを抱くヨノイ大尉の従卒は、ある日牢に侵入してセリアズを殺害しようとする。それを逃れて牢の外へ出たセリアズの前に、ヨノイ大尉が立ちはだかる。

2人は剣と刀を持って対峙するが、セリアズはその場で剣を手放す。セリアズの殺害に失敗した従卒は「あいつは大尉の心を乱す悪魔です」と言い残して切腹する。

従卒の葬儀で、ロレンスはセリアズと共に無線機を持ち込んだという濡れ衣で自信が処刑されることを知る。これは2人を処刑することで収容所の秩序を取り戻そうとするハラ軍曹の思惑によるものだった。

クリスマスの夜、ハラ軍曹のもとに連れていかれたセリアズとロレンスは、酒に酔ったハラ軍曹からのクリスマスプレゼントとして、釈放される。

独断でロレンスとセリアズを釈放したハラ軍曹に対し、ヨノイ大尉は内心安堵しつつ3日間の自宅謹慎を言い渡す。

一方、ヨノイ大尉は兵器や武器に精通した捕虜の報告を拒み続けるヒックスリー俘虜長に業を煮やし、ある日俘虜全員を整列させた場で、ヒックスリー俘虜長を斬ろうとする。

しかしセリアズが2人の間に割って入り、ヨノイ大尉の腕をつかんで頰にキスをすると、ヨノイ大尉はよろめいて後方へ倒れこむ。

その後、新任の大尉の判断により、収容所の真ん中でセリアズを首だけ出した状態で生き埋めにされる。数日が経ち、埋められたまま事切れたセリアズのもとへ訪れたヨノイ大尉は、彼の遺髪を胸にしまう。

それから4年後の1946年。明朝処刑されるというハラ軍曹の元をロレンスが訪れる。終戦後まもなく処刑されたというヨノイ大尉の思い出に触れ、話はハラ軍曹がロレンスを釈放したクリスマスの夜に及ぶ。

面会を終えて去りゆくロレンスの背中に、ヨノイ大尉は「メリークリスマス、ミスターロレンス」と声をかけてほほ笑むのだった。

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