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世界的マジシャンが手がける壮観なマジックショーー映像の魅力

マジックの監修を務めたデビッド・カッパーフィールド【Getty Images】
マジックの監修を務めたデビッドカッパーフィールドGetty Images

 

本作の映像の見どころは、なんといってもアンジャーとバーデンのマジックショーだろう。世界的なマジシャンであるデヴィッド・カッパーフィールドが仕掛ける演目は壮観で、映画の観客である私たちもつい見入ってしまうほど見応えがある。

また、光源を埋め尽くすテスラの電球や瞬間移動装置など、観客を惹きつける強いビジュアルも本作の魅力だろう。特に、冒頭の森の中に無数のシルクハットが転がるカットはかなり謎めいており、観客の目を惹きつけるには十分だ。なお、この謎めいた映像は後半に「種明かし」がされる。同じ映像を異なる意味で反復させるのは、他のノーラン作品にもみられるおなじみの演出だ。

本作のアートディレクションを手がけたのは、ネイサン・クロウリー。『ダークナイト』(2008)や『インターステラー』(2014)など、7作品のノーラン作品の美術を担当してきたプロダクションデザイナーだ。

クロウリーは、撮影にあたり、スケールモデルや画像、図面、メモからなるビジュアルスクリプトを採用。実際の撮影は、ブロードウェイがあるロサンゼルスを中心に行い、マジックの撮影はロサンゼルス劇場やパレス劇場など4カ所で行い、作品の舞台となる19世紀末ヴィクトリア朝時代のイギリスのモダニズムを忠実に再現している。

また、撮影は、『バットマン ビギンズ』や『ダークナイト』など、5作品のノーラン作品の撮影を担当してきたウォーリー・フィスターが担当。手持ちカメラによるリアルな撮影と、自然光をメインとしたハイコントラストの照明により、アンジャーとボーデンの人間ドラマを浮き彫りにし、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズをはじめとする他のコスチュームプレイとの明確な差別化をはかっている。

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