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リズミカルな編集によるドタバタ喜劇ー映像の魅力

映画『お熱いのがお好き』のワンシーン
映画お熱いのがお好きのワンシーンGetty Images

本作は、王道のドタバタ喜劇らしく、リズミカルな編集が随所に用いられている。最も印象的なのは、シュガーのジョーが豪華客船でくつろぐ場面だろう。このシークエンスでは、2人が熱いキスを交わすシーンと、女装したジェリーとオズグッドがタンゴを踊るシーンが交互にカットバックされる。意中の女性を捕まえたジョーと、中年の富豪から言い寄られるジェリーのコントラストが笑いを誘う見事な演出だ。

女装していたジョーがシェル石油の御曹司に早替わりし、海岸でシュガーと落ち合うシーンでは、海岸へと向かうシュガーと彼女を追いかけるジョーを一つの画角におさめて長回しで見せることで、シュガーとジョーのコントラストを際立たせている。

また、ホテル内のエレベーターも舞台装置として効果的に用いられている。例えば、冒頭のシーンでは、オズグッドとジェリーが一緒に乗り込りしばらくしてから、オズグッドがジェリーの身体を触ったとして、ビンタしながら出てくる。また、終盤のシーンでは、ギャングから逃れるジョーとジェリーの「早着替え装置」として登場する。

エレベーターを外側から撮影し、エレベーターに乗る前と乗った後で乗客のコントラストを際立たせることで観客の笑いを誘うのだ。

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