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モダンとクラシックが融合した洗練された楽曲~音楽の魅力

本作の音楽は、チャゼル監督の前作『セッション』で音楽を担当したジャスティン・ハーウィッツが引き続き担当。父親が作曲家、母親がプロバレリーナという音楽一家に育った彼は、『オズの魔法使い』や『美女と野獣』、『リトル・マーメイド』に耽溺し、ミュージカル音楽の世界に足を踏み入れた。

楽を担当したジャスティン・ハーウィッツ
音楽を担当したジャスティンハーウィッツGetty Images

これまで往年のミュージカル映画の洗礼を受けてきたハーウィッツ。しかし、本作の音楽は時代を超越した感じでありながらも、『雨に唄えば』や『シェルブールの雨傘』のように古風な感じにはしたくなかったと語る。

そんな本作の音楽は、クラシックをベースとしながらも、ジャズがミックスされたモダンな音楽に仕上がっている。さて、本作のミュージカルシーンの楽曲は計8曲。その中から、2曲をピックアップしよう。

まずは、オープニングの高速道路のシーンで使われている『Another Day of Sun』。本作を象徴する曲であり、ジャズのベースラインをうまく組み込んだ、高揚感にあふれた曲である。ちなみに本曲のタイトルは、日本語では「新しい日」、「新しい太陽」などと訳されるが、作詞のジャスティン・ポールは「成功できなくても、朝起きればまた光り輝く新しい一日になる」という意味を込めたという。ミアとセバスチャンのその後が暗示された曲である。

続いて、ミアとセバスチャンがバーで再会する際に流れる『Mia & Sebastian’sTheme』。クラシック風の雰囲気の本曲だが、随所にジャズテイストの不協和音が登場する、おしゃれな曲になっている。

なお、本曲は、『ロシュフォールの恋人たち』に登場する《シモンの歌(イヴォンヌの歌)》がモデル。この曲は、「別れた恋人を思い出す」という歌詞になっており、後の2人の行く末を象徴するような曲になっている。
他にも本作には、数多くの名曲が詰まっている。サウンドトラックからも聴けるので、ぜひ聴いてみてほしい。

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