アベンジャーズを超える!? デコボコチーム爆誕
『キャプテン・マーベル』、ドラマ『ワンダヴィジョン』、そして『ミズ・マーベル』と、それぞれの作品はトーンが異なり、キャラクターの方向性も違う。
まずはこの3人をどうクロスオーバーさせるのかが問題なのだが、本作ではそれぞれがパワーを使うと瞬間移動してお互いが入れ替わってしまうというギミックを導入。
これによって3つの世界が繋がり、冒頭から有無を言わせぬ目まぐるしい展開で共闘するという、チカラ技な展開を見せる。
情報力が多いので、劇中のキャラも観ているこちらも多少パニックになるが、このスイッチアクションは視覚的にも面白く、話を繋げるのにも有効という大発明で、騒動が落ち着く頃には、それぞれのキャラクターと世界観が理解できるようになっている。
キャプテン・マーベルことキャロル・ダンバースは最強であるが故に孤独で、ある意味で自分勝手。今回は、過去にしてしまった自己判断的な行動によって恨まれ、復讐されるのだが、それを誰にも相談できないという等身大な悩みをみせる。
モニカ・ランボーは家族の喪失の問題を抱えており、ミズ・マーベルことカマラは、天真爛漫そうにみえて、自分は何が出来るのかという若者の普遍的な不安に揺れていて、こちらも深く共感できる。
そして、もうひとり、今回のヴィランであるダー・ベンも、矛盾を抱えながらも、責任を果たすために進んでいく強くて儚い女性として描かれる。