戦う女性が美しい!
監督はMCU映画史上最年少の33歳
『マーベルズ』は、女性映画として押し出しているわけではないが、MCU映画史上最年少の33歳で監督を務めた二ア・ダコスタの起用も含めて、フェミニンなテイストが色濃い。
MCUに限らず、アメコミ映画は女性が主役の作品が多く、様々な“戦う女性”を描いてきた。
DCは『ワンダーウーマン』をはじめ、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRS OF PREY』などがあるし、MCUでは、主演俳優が亡くなってしまうという緊急事態を経た『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエヴァー』が、シスターフッド的な要素が強い作品となった。
『マーベルズ』は、『ミズ・マーベル』の流れも継承しているので、もうちょっとライトで、ディズニー的なガールパワー風味。
心がときめくような星の王子様が、日本でもリメイクされたNetflixドラマ『梨泰院クラス』主演俳優のパク・ソジュンだったり、そこでミュージカル調になるのも、半ばギャグとはいえ、女性が好みそうな展開ではあるかもしれない。
MCUではお馴染みのニック・フューリーも、今回は寛大にメンバーを見守るポジションで、父性フェロモン全開。
見た目は猫そっくりだが、その正体はフラーケンという恐ろしい生物である「グース」にまつわる展開は、女性だけでなく、全人類がメロメロになるだろう。
宇宙を股にかけた壮大なスペースオペラな展開と最先端のアクション描写、そこに女性たちのパーソナルな心情と成長を描き、さらに今後のMCUにとって重要な展開まで含めた『マーベルズ』。
結果的に、映画だけ観てればなんとか追いつけるというハードルを見事にクリアしているだけでなく、しっかりとバトンを繋ぐことにも成功した、見逃せない1作だ。
(文・灸 怜太)
【作品概要】
タイトル:『マーベルズ』
監督:ニア・ダコスタ
脚本:ニア・ダコスタ、ミーガン・マクドネル、エリッサ・カラシク
キャスト:ブリー・ラーソン、テヨナ・パリス、イマン・ベラーニ、パク・ソジュン、ゾウイ・アシュトン、サミュエル・L・ジャクソン
配給表記:ウォルト・ディズニー・ジャパン
クレジット:(c)2023 Marvel
公式サイト