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恐怖感をあおる不吉なインダストリアルノイズー音楽の魅力

音楽は監督のトビーとキム・ヘンケルが担当
監督のトビーフーパーはキムヘンケルと共に音楽も担当Getty Images

本作では、全編通して音楽らしい音楽が一切使われていない。その代わり、ホラー映画らしく、不快感たっぷりのノイズをサンプリングしたようなサウンドが随所に散りばめられている。

例えば、カークとパムがソーヤ一家を訪れるシーンでは、発電機の音が間断なく続いており、その後ソーヤ一家の家に侵入したカークがレザーフェイスに撲殺されるシーンでは、痙攣するパムに豚のいななきのような音が重ねられている。

続いて、パムがカークを探しに家の中に入るシーンでは、鳥の羽につまづいたパムの主観カットに合わせて不吉なインダストリアルノイズや鳥の声が間断なく続く。そして、このインダストリアルノイズがレザーフェイスのチェーンソーの音に変わっていくのだ。

ちなみに、このインダストリアルノイズはソーヤ一家の食卓のシーンにも流れており、サリーの絶叫に合わせて大きくなったり小さくなったりする。このノイズは、本作の観客の息遣いを表現しているのかもしれない。

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