時代を先取り…なぜ名作? どうしてガープはプーに撃たれた? 映画『ガープの世界』考察。ビートルズの音楽&珠玉の名言も解説
映画『ガープの世界』より【Getty images】
ガープの世界
- 原題:
- THE WORLD ACCORDING TO GARP
- 製作年:
- 1982年(アメリカ)
- 監督:
- ジョージ・ロイ・ヒル
- 脚本:
- スティーヴ・テシック
- 撮影:
- ミロスラフ・オンドリチェク
- 音楽:
- デヴィッド・シャイア
- 配給:
- ワーナー・ブラザース
- 上映時間:
- 137分
- 演出:
- 12点
- 脚本:
- 15点
- 配役:
- 14点
- 映像:
- 11点
- 音響:
- 14点
映画『ガープの世界』を演出、脚本、キャスト、映像、音楽の項目で徹底解説。ロビン・ウィリアムズ主演、監督はジョージ・ロイ・ヒル、原作はジョン・アーヴィングのベストセラー。LGBTQなど先進的なテーマ性、フォレスト・ガンプとの共通点も語られる傑作の魅力を解き明かす。<あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー>
『ガープの世界』のあらすじ
看護師のジェニーは結婚願望がなかったが、子どもは欲しいと思っていた。そんな時、戦場の病院に、脳を損傷し常に勃起状態の兵士が搬送されてくる。ジェニーは意識不明の兵士にまたがると、自分の体内に射精させ、赤ちゃんを身ごもった。
生まれたのは男の子で、亡くなった兵士の名前をとってガープと名付けられる。
海沿いの大きな家に住むジェニーの両親は、ジェニーの行動に驚愕し激しく叱りつけるが、彼女は全く気にせず愛情を持ってガープを育てた。
ガープは空想家で飛行機が好きな少年に育ち、よくパパと一緒に空を飛ぶ夢を見ていた。
ガープの住む家の近所には、クッシーとプーという姉妹がいた。クッシーはませた女の子で、幼いガープに子どもの作り方を教える。そんな2人の様子を見ていたプーは、飼い犬を使ってガープを襲った。犬に耳を噛まれたガープが血だらけになると、ジェニーはクッシーとプーの家に強引に押し入り、犬を安楽死させろと騒いだ。
学校に進学したガープは、レスリング用の耳あてが、飛行機の操縦士が着用するヘルメットに似ているという理由でレスリング部に入る。
ある晩、ガープはいつものように屋根の上で空を飛ぶことについて考えていたが、誤って足を滑らせてしまう。
悲鳴を聞きつけたジェニーが、慌ててガープを助けると、ジェニーはそこで初めてガープが生まれた秘密について話した。ジェニーは、人は必ず寿命を迎えるのだから、それまでしっかりと生きることが大事だとガープに教えた。
成長したガープは、大学生になると、ヘレンという読書家の女の子に恋をした。ヘレンは作家と結婚したいと思っていたため、ガープは小説家を志すようになる。
そこでガープは自伝小説を書き始めるが、それを勝手に読んだジェニーに自分のことを書くなと注意される。
仕方なく別の物語を書き始めたガープだったが、彼の行いに着想を得たジェニーは、自らの半生について書き始めた。