「圧倒的なスピード感と情報量…」映画『Search サーチ2』の評価は? 張り巡らされた伏線を考察。忖度なしガチレビュー
text by 柴田悠
映画がディスプレイ上で完結する手法が話題を呼び、米サンダンス映画祭で観客賞を受賞した2018年公開の映画『Search』の続編、『Search2』が公開中だ。デジタルネイティブ世代を主人公に、疾走感満載のスリラーに仕上がった本作のレビューをお届けする。(文・柴田悠)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価】
インターネットと映画は本当に相性が悪い!?
インターネットと映画は相性が悪いー
映画関係者の中には、いまだにこうつぶやく人が多数いる。理由はさまざまあるが、最も大きな要因としては、インターネットが持つヴァーチャルで非身体的な時間が、映画の持つフィジカルな時間と相容れないというものが挙げられるだろう。
とはいえ、アーウィン・ウィンクラーの『ザ・インターネット』(1995年)や黒沢清の『回路』(2001年)など、インターネットを題材とした作品もないわけではない。あるいは、アニメだと細田守の『サマーウォーズ』(2009)をすぐに連想する人も多いことだろう。
しかし、これらは概して「インターネットに端を発するサスペンス」や「インターネットのアーキテクチャをフィジカルに置き換えたファンタジー」タイムスケールそのものは、あくまで現実の空間になぞらえていた。
SNSや動画プラットフォームが日常に浸透し、「ファスト映画」や「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉が巷を賑わす昨今、デジタルな時間を映画が表象できないとすれば、それはあくまでマイナスでしかないだろう。
さて、随分と前置きが長くなった。早い話しが、『Search』は、そんな時代の空気感をとらえた、新たな時代の映画なのだ。