ディカプリオとケイト、運命の2人ー配役の魅力
本作の配役といえば、やはり、ジャック役のレオナルド・ディカプリオとローズ役のケイト・ウィンスレットをあげないわけにはいかないだろう。
今となってはディカプリオとケイト以外のキャストが考えられない本作だが、実は当初はジャックにはリヴァー・フェニックスが想定されていたという。しかし、リヴァーはオファーの前年に23歳の若さで急逝。その後、オーディションが開催され、以下の俳優たちが受けたといわれている。
・リヴァー・フェニックス
・マシュー・マコノヒー
・ジョニー・デップ
・クリスチャン・ベール
・ブラッド・ピット
・マコーレー・カルキン
なお、上記の6名のうち、スタジオ側の本名は『評決のとき』で注目を浴びていたマシュー・マコノヒーで、キャメロン自身も貧弱なイメージのあるディカプリオには当初期待していなかったという。しかし、オーディションでは、ディカプリオが完璧にジャックになりきり、キャメロンたちスタッフを魅了した。
また、同様に、ジャック役同様、ローズ役にも当時のスターたちが名を連ねていた。
・グウィネス・パルトロウ
・ウィノナ・ライダー
・ジェニファー・アニストン
・ドリュー・バリモア
・レア・デインズ
・アンジェリーナ・ジョリー
・ニコール・キッドマン
・ユマ・サーマン
・シャーリーズ・セロン
・リース・ウィザースプーン
ローズ役はジャック役よりも難航し、熾烈を極めたが、最終的には時代ものに多数出演し、「コルセット・ケイト」の異名も持っていたケイトが役を射止めた。なお、オーディションでは、ディカプリオとともに行ったセリフの読み合わせで、すぐさまキャメロン監督からローズ役への採用を言い渡されたという。そう考えると、ディカプリオとケイトが本作に出演したのは運命だったと言う気がしてならない(ちなみに2人は本作から11年後の2009年に『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』で夫婦役として再共演している)。
なお、ジャックとローズ以外の主要な乗客や船員は、実際にタイタニック号に乗っていた人々がモデルとなっている。とりわけ印象的なのは、キャシー・ベイツ演じるマーガレット・“モリ―”ブラウンだろう。
作中では、身分の低いジャックを陰から応援する成金として描かれるこの女性は、「不沈のモリ―・ブラウン」という異名で知られ、事故後に教育の向上や女性権利の推進、慈善活動などに生涯をささげた。彼女の生涯は、『不沈のモリ―・ブラウン』(1963)をはじめ、多数の映画やミュージカルの題材になっているので、気になった方はチェックしてみてもらいたい。