ティモシー・シャラメのウォンカは期待以上!
映画『君の名前で僕を呼んで』や『ボーンズ・アンド・オール』など、素晴らしい作品に出演するティモシー・シャラメ。しかし彼の演じる役は、上記の他にも影のあるキャラクターが多い印象だ。
本作では、そんな彼が、ミュージカルという新境地で新たな才能を開花させた記念碑的な作品と言っていいだろう。
アイドル的な人気を博すティモシー。彼の魅力は必ずしもルックスに還元することはできない。ふとしたセリフや伸びやかな歌声、時折見せるキリっとした表情など、一挙手一投足に人を惹きつける力がある。中でも「My name is Willy Wonka」と自己紹介するティモシーのセリフは、たった一言ではあるが、ただの自己紹介を超え、観客を惹きつける魔法が込められている。
さらに、表情、体、全てを使ったミュージカルシーンは圧巻。アニメーション顔負けの美しい映像の中で歌い踊るその姿のチャーミンなこと! 前作でウィリー・ウォンカを演じたジョニー・デップとはまた違った、ティモシー版ウィリー・ウォンカは、心なしか可愛らしさが強調されている。