金返せレベルの酷さ…お笑い芸人監督の悪名高い最低映画(1)衝撃のだだズベリ…意味不明で酷評だらけの天才は?
北野武や竹中直人、劇団ひとりなど、これまでさまざまなお笑い芸人が映画界に挑戦してきた。しかし、中には、華々しくデビューを飾ったにも関わらず、多くの観客を困惑させてしまった者も少なからず存在する。今回は、監督デビューしたものの残念な結果に終わってしまった、お笑い芸人が監督した映画ワースト5を紹介しよう。(文・編集部)
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シュールすぎて理解できない…。“笑いの天才”が監督した奇想天外なヒーロー映画
松本人志『大日本人』(2007)
監督:松本人志
脚本:松本人志、高須光聖
出演:松本人志、竹内力、UA、神木隆之介、板尾創路、海原はるか、原西孝幸
【作品内容】
大佐藤大はテレビ局の密着取材を受けていた。
大佐藤は、巨大生物「獣」を退治を生業にする「大日本人」一族の6代目である。しかし、軍備の整った今の日本に、大日本人は不要であるとの声も上がっていることや、妻子との別居、祖父である4代目の介護問題など、問題が山積みであった。
ある日、大佐藤の前に、過去に確認されたことがない赤い獣が現れる。赤い獣は恐ろしいほど強く、大佐藤は逃げ出してしまうが、その様子が放送されると、高視聴率を獲得。
その後、取材ディレクターに再戦を要求され、大佐藤は窮地に立たされる。
【注目ポイント】
”笑いの天才”として、日本芸能史にその名を刻むダウンタウンの松本人志。そんな彼が、構想5年を費やし、映画の世界に挑んだ作品が、この『大日本人』だ。
松本は、これまで『頭頭』(1993)や『VISUALBUM』(1998-1999)といった斬新なコント作品を世に送り出してきたほか、雑誌で映画評の連載も行ってきた。それだけに、発表当時は「第二の世界のキタノ」の爆誕に期待を寄せる声が多々あった。
しかし、いざ蓋を開けてみると、あまりにもシュールな”松本ワールド”に誰もついていけず、酷評の嵐に。松本ならではのシュールな間やテレビサイズの芸も映画のスクリーンではスベってしまっており、スポーツ報知記者版のゴールデンラズベリー賞である「蛇いちご賞」では、なんと最低監督賞を受賞してしまった。
とはいえ、本作、時代を先取りしたようなモキュメンタリー手法や、神木隆之介や板尾創路、海原はるか、原西孝幸などを模した巨大生物「獣(じゅう)」との戦いなど、今見るとカルト的な面白さがある。
天才の生み出す笑いは、時代を先取りしすぎたのかもしれない。
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