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観ていてイライラする…最も嫌われたNHK朝ドラヒロイン(2)まるで狂気…全員が不幸すぎて唖然としたのは?

text by 寺島武志

国民的女優を生み出す登竜門的存在、NHK連続テレビ小説。そのヒロインといえば、朝ドラの顔に他ならない。しかし、数あるヒロインの中には、キャラクターやストーリーが視聴者から不評を買ってしまう例も存在する。今回は、歴代朝ドラ作品の中から、特に視聴者から評判が悪かったとされるヒロインを5人ご紹介する。(文・寺島武志)

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重すぎるストーリーが敗因か

『純と愛』(夏菜)

夏菜
夏菜Getty Images

主人公:狩野純→待田純
放送期間:2012年10月1日~2013年3月30日
脚本:遊川和彦
最高視聴率:20.2%
主演:夏菜

【作品内容】

大阪生まれで沖縄・宮古島育ちで裏表のない性格の主人公・狩野純(夏菜)はかつて祖父が経営していた宮古島のホテル「サザンアイランド」の再生を夢見ていた。

弁護士夫婦の息子であり基本的には温厚ながら、精神的に追い込まれると荒れる二面性を持った男性・待田愛(風間俊介)と出会い、2人は惹かれ合う。

2人は結婚し、「サザンアイランド」の再建へ向けて奮闘する…。

【注目ポイント】

本作は数多くのヒットドラマを生み出したヒットメーカー・遊川和彦のオリジナル脚本。

『真昼の月』(1996年・TBS系)や、『魔女の条件』(1999年・TBS系)といった重いテーマのものから、『過保護のカホコ』(2017年・日テレ系)や『家政婦のミタ』(2011年・日テレ系)といったコミカルなものまで、作風の広い遊川だが、本作は朝ドラに不向きといえるほどシリアスに寄った内容で、叫びまくる主人公の純、二重人格に苦悩する愛というキャラクター設定に加え、事業トラブルや家族の不幸が連発。

最終回も、脳腫瘍の手術後に昏睡状態になった愛に、純がキスをするが、愛が目を覚ますことはなかったというラストシーンも「朝ドラらしくない」と酷評されてしまう。

遊川の挑戦的脚本が裏目に出てしまった格好だ。これが朝ドラでなければヒットしていたのではないかと思えるほど、その完成度は高かっただけに惜しい話だ。

視聴率も平均で17.1%と振るわず、前作の『梅ちゃん先生』から大きく落とす。

不評の声は主役の夏菜の耳にも入り、後に出演したバラエティー番組で当時を振り返り「プレッシャーで酒ばかり飲んでいた」と語り、当時のマネージャーからは「現場でキレまくっていた」というエピソードも明かされた。

本作の主演したことによって、「正直、女優業が楽しめない」と語るほど追い込まれた夏菜だが、当時はまだ23歳。以降、『仮面ティーチャー』(2014、日本テレビ系)など民放のテレビドラマや、映画『恋とオンチの方程式』(2016)などの映画のオファーが相次ぎ、さらには声優にも挑戦。

バラエティー番組や音楽番組のMCなど、活躍のフィールドを広げ、捲土重来を果たした。

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