MVPは賀来賢人!? 映画『劇場版TOKYO MER』の評価は? スペシャルドラマも踏まえて考察。 忖度なしガチレビュー
鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ、SixTONESのジェシーらが出演するTBSドラマ「TOKYO MER」。その映画版となる『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』が公開中だ。今回は、事故現場の迫力や人間模様がよりスケールアップした、本作のレビューをお届けする。(文・寺島武志)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価】
「待っているだけじゃ救えない命がある」
横浜ランドマークタワーで起きた爆破事件の救助に挑む
2021年夏のTBS「日曜劇場」枠で放送されたドラマの映画化作品である本作。
「TOKYO MER」(東京モバイル・エマージェンシー・ルーム)は、危険な重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、負傷者にいち早く救命処置を施す救命救急のプロフェッショナルチーム。チーフドクターは、「待っているだけじゃ救えない命がある」をモットーとする主人公の喜多見幸太(鈴木亮平)。チームを直轄するのは、東京都知事の赤塚梓(石田ゆり子)だ。
彼らの使命はただ一つ「死者を一人も出さないこと」。ドラマ版では「死者は…ゼロです!」という報告で、赤塚知事以下、チーム一同が盛り上がるシーンがお馴染みだった。
映画公開直前に放送されたスペシャルドラマ『TOKYO MER 隅田川ミッション』では、TOKYO MERのセカンドドクターだった音羽尚(賀来賢人)が、全国版MERの統括官になるため「TOKYO MER」を離れることが明かされ、YOKOHAMA MERのERカー・YO1のデザインにも携わったこと、チーフドクターの鴨居友(杏)が元恋人であることにも触れられていた。
本作の物語は、上記のスペシャルドラマの続編として位置づけられる。あらすじから見ていこう。
厚生労働大臣の両国隆文(徳重聡)は、全国の政令指定都市にMERを配備させる。それによって組織された医療チーム・YOKOHAMA MERは、都知事直轄であるTOKYO MERを目の敵にしている。YOKOHAMA MERのチーフドクターである鴨居のモットーは「危険を冒しては救えない命がある」。人命救助に対する彼女の考え方は、喜多見とは正反対だ。
そんな中、横浜ランドマークタワーで放火爆発テロが発生し、200人近い人が70階の展望フロアに取り残されることに。その中には、喜多見の妻であり臨月を迎えていた千晶(仲里依紗)と、その友人で看護師の蔵前夏梅(菜々緒)の姿があった…。