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「クリスティーナ・リッチが素晴らしい…」
鬼才・ヴィンセント・ギャロの一世一代のデビュー作

『バッファロー’66』(1998)

サウナーヨモギダ
写真Wakaco

―――ヴィンセント・ギャロが監督・脚本・主演・音楽を手掛けた名作ですね。

「その時点で凄いことですし、逆に言えば、ギャロはこの作品で燃え尽きましたよね(笑)。いや、その後も良作に出演していますが、ここまでやってしまったら、燃え尽きてもしょうがないとでも言うか。

とにかく男性のピュアな部分、女性に免疫のない童貞的な部分が全面に出されていて、男とは、そもそもそういうものなんだ!というメッセージに共感できる映画です」

―――アハハ! 頷けます。

「ギャロ演じるビリーは刑務所から出てきた後に、ニューヨーク州バッファローの実家を訪れるわけですが、父親のジミーも母親のジャンも、地元のアメフトチームのことで頭がいっぱいなわけです。

特に息子が生まれた1966年に試合を観られなかったことを不満に思っているという、不遇な境遇で育った息子の悲喜劇が色んな意味で面白くて。僕は広島カープのファンなのですが、むしろ、両親の気持ちもちょっとわかるかなと(笑)」

―――そっちですか!

「いや、ビリーの気持ちももちろんわかりますよ。立ちションしているところをヒロインのレイラに目撃されて、『見るなよ!』と言うシーンなんて最高じゃないですか(笑)。

あと、レイラ演じる当時のクリスティーナ・リッチが、ポールダンスを踊ったりしているのですが、そのスタイルのちょうどいいムチムチさ加減が好きです。全盛期のミトちゃん(水卜麻美)みたいで(笑)」

―――ギャハハ!全盛期って、いつですか?最近、結婚したばかりですし。

「まあ、いつだか同定できませんが、僕が思う全盛期が確かにあったんですよ(笑)。

特にビリーと手をつなぐシーンには、キュンときますね。でも、クリスティーナ・リッチもこの後、大ブレイクすることはなかった。ミュージシャンにおいて『ファーストアルバムが一番良かった』ということは往々にしてあるわけですが、この映画はそれに近いですね。

ガンダム原理主義者が唱えるファーストしか認めない!といった感じにも近いかもしれません(笑)」

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