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精神異常を冷静に指摘され
認めることができずにブチギレ

『シャッター・アイランド』(2010)

原題:Shutter Island
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:レータ・カログリディス
キャスト:レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングスレー、ミシェル・ウィリアムズ

【作品内容】

連邦保安官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)とチャック(マーク・ラファロ)は、孤島・シャッターアイランドにある精神病院を訪れる。とある女性が「4の法則。67番目は誰?」という謎のメッセージを残して行方不明となり、島は騒然としていた。テディたちは、収容中の精神異常犯罪者たちの取り調べを進めていくうちに、その病院で行われていた恐ろしい計画の存在に気づきはじめる…。

マーティン・スコセッシ×レオナルド・ディカプリオの黄金コンビによる、4本目のコラボレーション。孤島に建てられた精神病院を舞台に、徐々に精神を崩壊させていく刑事を迫力たっぷりに演じている。

【“ブチギレ”ポイント】

ディカプリオが狂気に憑りつかれた男を演じ、アイドルからの脱却に完全な形で成功した記念碑的作品。

マーティン・スコセッシとは本作以前に、『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2003)、『アビエイター』(2004)、『ディパーテッド』(2006)でもコンビを組んでおり、それぞれで激昂するシーンがあるにはある。

とはいえ、依然としてアイドルとしての面影が強く感じられた上記の3作に対し、『シャッターアイランド』で見せるパラノイアック(妄想症的)な芝居には、アイドルとしての愛くるしさはみじんもなく、ひたすら陰惨である。

嘘か本当かわからない世界をさまよった挙句、信じたくなかった現実を突きつけられるシーンでは、顔を真っ赤にして叫び、目の前の相手に体当たり。周囲の人間が極めて冷静である分、ディカプリオのブチギレっぷりが際立っているが、それは作品の残酷な結末にリンクしており、観る者を戦慄とさせるだろう。

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