怪我の功名とはこのことか?
主演俳優の”クビ”によってヒット作が2つ誕生
クビ→シルベスター・スタローン 抜擢→エディ・マーフィ
『ビバリーヒルズ・コップ』(1984)
上映時間:105分
原題:Beverly Hills Cop
製作国:アメリカ
監督:マーティン・ブレスト
脚本:ダニエル・ペトリ・Jr
原案:ダニロ・バック、ダニエル・ペトリ・Jr.
キャスト:エディ・マーフィ、ジャッジ・ラインホルド、ジョン・アシュトン、リサ・アイルバッハー、ロニー・コックス、スティーブン・バーコフ、ジェームズ・ルッソ、ジョナサン・バンクス、スティーブン・エリオット
【作品内容】
一匹狼で直情径行がちな刑事アクセル・フォーリー(エディ・マーフィ)。デトロイトにいる彼の元に古い友人が尋ねてくるが、何者かに殺される。
フォーリーは、その理由を彼が持っていた無記名の債券だと睨み、友人が直前にいた高級住宅街のビバリーヒルズまで犯人を捜しに赴く。労働階級の街から来た刑事が、金持ちだらけの富裕層の街で巻き起こす痛快刑事アクション映画だ。
【注目ポイント】
企画段階では主人公のフォーリー役はシルベスター・スタローンが務めるはずだった。しかし、スタローンは脚本の大幅な修正を要求。さらに題名を『コブラ』とするよう求めた。それに沿ってしまえば、本作はコメディー作品ではなくなってしまう…。
さらにアクションシーンを増やし、それと同時に製作費も膨大になってしまうのは明らかだった。
そこでパラマウント社が介入し、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは、本作から丁重にスタローンを退いてもらい、『48時間』(1982)で映画デビューを果たしたばかりのエディ・マーフィを抜擢する。
エディ・マーフィは、これが映画初主演だった。結果、コメディー俳優として一時代を築き、また、アフリカ系黒人として最も成功した俳優ともいわれている。本作も続編が2本製作されるなど、成功を収めた。
一方、“クビ”にされた格好のスタローンは、自らのアイデアを形にし、1986年に『コブラ』が公開される。
ロッキーやランボーに続くキャラクターを求めていたスタローンは、ダンディーかつ型破りな刑事役を好演。興行的にも成功したが、続編製作には至らなかった。
【関連記事】
実は酷評だった名作映画とは…? アメリカで大爆死・日本で大ヒットした映画5選。本国で大コケも日本人に愛された作品たち
日本映画史に残る降板トラブルとは…? 製作途中で出演俳優・女優が降板したワケあり映画5選。不慮の事態に見舞われた作品たち
日本の観客を激怒させたハリウッド映画は…? 間違いだらけの日本描写が酷いアメリカ映画5選。戸惑いを隠せない珍作をセレクト