世界に誇る現役最高の日本人俳優は…? 海外で最も評価されている役者5選。国際的に活動するワールドクラスの才能をセレクト
“日本のエンタメはレベルが低い”いつからかこんな不名誉な言われ方をするようになってしまった日本の映画業界。しかしそんな中でも、世界で活躍する才能ある日本人は存在するのだ。彼らの姿は我々に感動をもたらし、日本も世界で闘えるという勇気を与えてくれる。今回は世界で活躍する日本人俳優を、5人セレクトして紹介する。
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“日本人”渡辺謙の抵抗!?
渡辺謙『GODZILLA ゴジラ』(2014)
原作:「ゴジラ」 東宝
監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:マックス・ボレンスタイン、フランク・ダラボン、デヴィッド・キャラハム、ドリュー・ピアース、デヴィッド・S・ゴイヤー
出演者:アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙、エリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ、サリー・ホーキンス、デヴィッド・ストラザーン、ブライアン・クランストン
【作品内容】
1999年、フィリピンで起こった炭鉱の崩落事故の調査に訪れた科学者・芹沢(渡辺謙)は、恐竜の化石を発見する。その頃、日本の原子力発電所で突然起こった地震により、発電所が倒壊。
その15年後。アメリカ軍で爆発物処理に従事するフォード大尉(アーロン・テイラー=ジョンソン)が倒壊した発電所を調査していると、謎の巨大生物を発見した。その生物はハワイのオアフ島に飛び立って行った。
その後60年ぶりにゴジラが地上に姿を現す…。
【注目ポイント】
日本が世界に誇る俳優と聞いて、まず最初に思い浮かぶのが渡辺謙だろう。
映画『ラスト サムライ』ではトム・クルーズ、映画『インセプション』ではレオナルド・ディカプリオなど、世界のトップを走る超一流の俳優と肩を並べている。
そんな中、今回ピックアップするのは、日本人に馴染み深い「ゴジラ」。映画『ザ・クリエイター/創造者』(2023)のギャレス・エドワーズ監督が、ゴジラを1から仕切り直したリブート作品である本作。渡辺は日本人科学者の芹沢を演じる。
渡辺謙は、180cm以上ある身長とキリッとした顔立ち、流暢な英語を話すことから、賢い日本人の役がよく似合う。
見どころの多い本作だが、ここでは渡辺謙のこだわりが感じられるとあるセリフに着目したい。
ゴジラは、英語では「ガッズィーラ」発音する。ちなみに、庵野秀明監督の映画『シン・ゴジラ』では、アメリカ合衆国大統領の特使を演じた石原さとみも、「ガッズィーラ」と発音していた。
そんな中、本作において渡辺謙は、頑なに「ゴジラ」と日本語の発音で押し通している。
本作はハリウッド映画であり、渡辺は高い英語力を持っているのだから、素直に「ガッズィーラ」と発音してしまえばいいのではないかと思うところだが、あえて日本風の発音にこだわっているのだ。
渡辺がなぜ「ガッズィーラ」と発音しなかったのは不明だが、そこからは世界で戦う日本人俳優としての矜持が強く感じられる。海外で引っ張りだこになっても、海外の流儀に染まり切らず、日本人というアイデンティティを役柄の中でさりげなく強調する、実に面白いエピソードではないだろうか。