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監督がたけしの出演を熱望

ビートたけし『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017)

北野武監督
北野武Getty Images

原作:士郎正宗『攻殻機動隊』
監督:ルパート・サンダース
脚本:ジェイミー・モス、ウィリアム・ウィーラー、アーレン・クルーガー
出演:スカーレット・ヨハンソン、ピルー・アスベック、ビートたけし、ジュリエット・ビノシュ、マイケル・カルメン・ピット、チン・ハン、ダヌーシャ・サマル、ラザルス・ラトゥーエル、泉原豊、タワンダ・マニーモ

【作品内容】

電脳化が進んだ近未来の世界。脳を残して全身を機械化した公安9課最強の捜査官・少佐(スカーレット・ヨハンソン)は、全世界を脅かすサイバーテロ組織を追っていた。しかし捜査を進めていくうちに、自分の記憶が操られていたことを知る…。

【注目ポイント】

“世界のキタノ”の活躍は言うまでもない。世界中の映画人が彼の監督業・俳優業に感銘を受けている。本作の監督である、ルパート・サンダース監督もそのうちの1人だ。

今回ピックアップした映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』は、士郎正宗による漫画『攻殻機動隊』のアニメ版『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の実写化であり、本作のファンであったルパート・サンダース監督が、本作の製作とたけしの出演を熱望したという。

それゆえ本作は、ルパート・サンダース監督の『攻殻機動隊』とたけしへの愛が詰まっている仕上がりになっている。

荒巻大輔大佐を演じたたけしは、ハリウッド作品であるのにも関わらず日本語でセリフを話している。これはたけしの要望であったそうだが、監督以外のスタッフは反対したという。

確かに他のキャストの英語の問いに対して日本語で返答し、会話が通じ合っているのには若干不思議な印象を受けるが、違和感が作品全体の味となっており、たけしの芝居の迫力も相まって、きわめて良い仕上がりになっている。

さらに雨の中の銃撃戦のシーンでは、多くを語らずともゾクゾクするような恐怖のオーラを放ち、彼の本領が発揮されていると同時に、日本語だからこその彼の気持ちがこもった芝居になっているのではないだろうか。

何を考えて芝居をしているのかは彼にしかわからないが、無表情の中のわずかな動きで観客に感じさせる芝居には、感情をかき乱され、何をどんな言葉で表現して良いかわからなくなる。

本作における彼の芝居からは、戦争映画の不朽の名作『地獄の黙示録』で、物語の鍵をにぎるカーツ大佐を演じた名優マーロン・ブランドを想起させる。世界広しと言えども、存命の役者で、マーロン・ブランドと比較できる存在は数えるほどしかいないだろう。

監督としても俳優としても恐ろしいほどの才能を発揮するビートたけし。今後彼を超える天才が今後の日本映画界から生まれるのか不安である…。

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