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宮崎駿VSハーヴェイ・ワインスタイン

『もののけ姫』サン(左)、エボシ御膳(右)が争うシーン
映画もののけ姫のワンシーン© 1997 Studio GhibliND

1996年、ディズニーはスタジオジブリ全作品の一次家庭用配給会社となる契約を結び、全世界で作品を公開。映画『天空の城ラピュタ』(1986)や、映画『魔女の宅急便』(1989)といった作品には、子供向けのユーモアさが含まれており、ディズニーブランドにピッタリの作品であった。

当初は、日本での本作の成功を考えれば、映画『もののけ姫』も、米国で人気が出るに違いないだろうと考えられていた。しかし『もののけ姫』を鑑賞した配給会社のお偉方は、同作を売り出すためには他のジブリ作品と同じ宣伝スタイルではいけないと考えた。

他のジブリ作品にはないダークなテーマや、生々しい暴力描写が含まれる『もののけ姫』のタイトルには「“姫”(プリンセス)」の言葉が含まれている。これまで「“姫”(プリンセス)」という言葉をタイトルに含む作品を多く世に生み出してきたディズニーにとって、同作の内容は「“姫”(プリンセス)」という言葉が想像させる内容とは遥かに異なっていたようだ。

1990年代当時、日本ではすでにアニメに親しむ大人の存在は珍しくなかったのに対し、アメリカ国内では、50年以上にわたるディズニー・アニメーション作品のおかげで「アニメ=子供向け映画」という考えが未だ根強かった。

スタジオジブリ作品は、ディズニーに利益をもたらす存在である。にもかかわらず、ディズニーは、大人向けアニメーション映画である『もののけ姫』の扱い方がわからず、別の部門に管理を託すことになる。それが映画やテレビ番組の製作・配給会社「ミラマックス」である。

映画プロデューサーであるボブ・ワインスタインと、ハーヴェイ・ワインスタインの2人により1979年に設立された「ミラマックス」は、1993年にディズニーに買収されるまでは、独立系映画の配給・製作の大手企業であった。

ちなみに、ハーヴェイ・ワインスタインは、2017年に過去の性暴力および性的虐待事件とその隠蔽工作が発覚して逮捕。”ハリウッド史上最悪のプロデューサー”として、今ではすっかり悪名高い人物である。

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