病魔と戦いながらも不死鳥のように復活する
●美空ひばり
演じるなら、この人!
~松たか子~
本名、加藤和枝。昭和12年生まれ。後に「美空ひばり」として世間を席巻する彼女は、何と9歳で歌手デビューをするという、空前絶後の天才歌手である。その圧倒的な歌唱力は、今なお伝説的に語り継がれ、唯一無二の歌謡界の女王の座を、没後30年以上経つ現代でも不動のものとしている。通称「お嬢」。
しかし、デビュー前には、その上手すぎる歌唱力ゆえ、NHK『素人のど自慢』出場の際には、審査員から「上手いが子供らしくない」との評価で、苦い落選経験があった。
そんな中、希代の名作曲家・古賀政男との出会いと導きにより世に出ることになる。その後、年齢とキャリアを重ねる度にその歌声、存在感は円熟味と凄みを増してゆき、昭和歌謡界の一時代を築き上げた。
しかし、1987年、福岡での公演中に体調を崩し、入院。退院後、病魔と闘いながらも、秋元康作詞による後に代表作として現在でも受け継がれる名曲『川の流れのように』にて、不死鳥のような大復活を果たした。が、「間質性肺炎」より1989年に他界。
そんな、御大の役を演じるにどなたがふさわしいかと妄想したところ、歌唱力合戦では、高畑充希も頭をよぎったが、風格も含めて、松たか子が適任ではないかと。
決め手となったのは、映画『アナと雪の女王』(2014)でみせた仕事ぶり。エルサ役の声優として、劇中で『レット・イット・ゴー~ありのままで~』を熱唱し、観客を感動の渦に巻き込んだ。
俳優としてのイメージが強い方々も多いと思うが、デビュー曲『明日、春が来たら』(1997)はじめ、数多のヒット曲を持ち、歌手としての実力も一級である。
ここで、次の説も唱えたい。
美空ひばりも俳優として、江戸時代を舞台にした『ひばり姫初夢道中』(1952)などにて、数々の名演を成し遂げているのだ。
・美空ひばり=歌手
・松たか子=俳優
といったイメージが強いが、両者のよさをリンクさせた物語を観てみたいと妄想した次第である。。
さらに、ぜひ、再現してほしいエピソードがある。美空ひばりは、自身の息子がファンだということがあり、80年代当時に大人気であった、とんねるずと仲が良かった。
ある時は、とんねるずがテレビでふざけた歌を歌っていることに激怒し、自宅に呼びつけ、延々と自身のライブVTRを、「歌ってのは、こういうものなのよ!」と見せつけたという。石橋貴明は「もう、お嬢さ~。キャラとしてふざけて歌っているだけだったのに…」と、トホホなエピソードとして現在に至るまで様々な機会で語っている。
そんな、生真面目さと茶目っ気が溢れた通称「お嬢」の再現を、松たか子に、とんねるず役をできれば、ニューヨークの2人に演じてほしい…というのはあまりにも贅沢な願望であろうか。
(文・ZAKKY)
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