中性的な外見が魅力。初主演ドラマで魅せた卓抜な芝居に注目
●与田祐希
乃木坂46の3期生。身長153センチと小柄ながら、スッと通った高い鼻が特徴的な、どこか中性的な可愛らしさのあるメンバー。
主な出演作品は2023年に日曜劇場『日本沈没-希望のひと-』(TBS系)、2022年ドラマ『量産型リコ』(テレビ東京系)、映画『ぐらんぶる』(2020)があり、2023年に公開された映画『OUT』では伝説のヤンキーに対して、強烈なビンタを披露してファンを沸かせた。
そんな与田の代表作と言えば、やはり『量産型リコ』だろう。与田はこの作品がドラマ初主演だったが、非常に人気を博し、続編も制作されたほどである。
この作品は「深夜ドラマ×プラモデル」がテーマの異色の作品。しかも、プラモデルからは最も遠い場所にいそうな乃木坂46メンバーを起用するというのも、これまた異色である。
しかし、この思いもよらない組み合わせが絶妙な化学反応を生み出し、ついつい続きが見たくなってしまうドラマに仕上がっている。
そうさせている理由の一つが、他ならない主演の与田の存在である。与田が演じる小向璃子は、特に大きな野望もなく、すべてにおいて平均的で、毎日を平凡に生きている、いわゆる量産型の人間。そんな彼女が、プラモデルに出会うことで始まる物語が今作である。
熱血系の熱い内容というより、のほほんと緩い日常モノだが、そのドラマの空気感が与田本人の持ち味にとても合っている。与田の良さを引き出してくれるドラマとも言え、逆に与田の存在でドラマの良さが増しているとも言える。
プラモデルを扱ってはいるが、本質はプラモデルを通して自分を見つめるヒューマンドラマとなっているため、プラモデルがまったく分からない方でも関係なく楽しむことができる。深夜ドラマ放送枠ということもあって、肩肘張らずに、力を抜いて楽しめる良作だ。