酒・女・ドラッグが職場で飛び交う…。
実在する証券マンの破天荒な半生
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)
原題:The Wolf of Wall Street
製作国:アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
原作:ジョーダン・ベルフォート
脚本:テレンス・ウィンター
キャスト:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー
【作品内容】
学歴もコネも経験もないながらも、誰も思いつかない斬新な発想と巧みな話術によって、ウォール街の投資銀行で成り上がっていく…。実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの波乱万丈な半生を、マーティン・スコセッシ監督が描いた痛快エンターテインメント。
【注目ポイント】
26歳で証券会社を設立し、年5000万ドルを稼ぐジョーダンは、その金遣いの粗さで世間を驚かせ、周囲は彼を「ウォール街のウルフ」と呼ぶ。そして、その行く末には想像を絶する破滅が待ち受けている。
富と名声を得て、女遊び、酒とドラッグ…。カネで買えるものは全て買い、カネで得られる経験はすべて体験したと言っても過言ではないベルフォート。そんな彼のジェットコースターのような激動の人生を、ディカプリオが“最高で最低な芝居”で熱演している。
とても実話ベースとは思えないほどの放蕩ぶりに驚くが、それは「新自由主義」を標榜するアメリカの一つの真実の姿である。我々は、本作で描かれる出来事を対岸の火事として見つめてしまいがちだが、アメリカの理念に追従しようとしている国に生きているという事実を忘れてはならないだろう。
株式ブローカーならずとも、有象無象のビジネスでメディアに登場する“自称・カネ持ち”の多くは、ベルフォートの行動を笑えないのではないのかとも思える。
男性であれば、こうした酒池肉林に憧れること自体は自然であり、ある意味、健全であるとすらいえるかもしれない。しかしながら、その向こう側には大きな落とし穴があるということを、本作は教えてくれる。
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