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アニメ『マッハGoGoGo』を実写化
ターゲット層が不明瞭なのが不発の原因

『スピード・レーサー』(2008)

真田広之
真田広之【Getty Images】

原題:Speed Racer
製作国:アメリカ
監督・脚本:ラナ・ウォシャウスキー、リリー・ウォシャウスキー
原作:吉田竜夫
キャスト:エミール・ハーシュ、クリスティーナ・リッチ、マシュー・フォックス、真田広之、Rain(ピ)

【作品内容】

主人公スピード・レーサー(エミール・ハーシュ)は、父にレーシングカーデザイナー、兄に天才レーサーという一家で育つ。レースで事故死した兄の後を追うようにレーサーになると、立て続けに大会で優勝する。そんな彼に巨大企業が巨額な契約金でオファーするも返事はまさかのノー。様々な妨害工作に見舞われる。そのことを知った主人公は父がデザインしたレーシングカーに乗り、兄が事故死した大会に出場するのだが…。

【注目ポイント】

昭和30~40年代生まれの男子にとっては懐かしい、スポーツカーレースをテーマとした吉田竜夫原作のテレビアニメ『マッハGoGoGo』を、日本のアニメファンだったラナとリリー・ウォシャウスキー兄弟(前後して、両者とも性別適合手術を受けたことにより「ウォシャウスキー姉妹」と呼ばれている)が、実写化した作品。

『マッハGoGoGo』は2人にとって初めて見た日本のアニメで、映画化は長年の夢だったと語っている。原作のイメージを損なうことなく映像化しており、日本のアニメ版の主題歌やオートジャッキでジャンプした際の効果音にアニメと同じものを使用するなど、原作のエッセンスをふんだんに盛り込んでいる。

しかし、実写とCGをごちゃ混ぜにした映像は、米国内はおろか、日本のファンにも受け入れられず、北米で3600館以上の大規模で公開されたものの、米国内の興行収入は4395万ドルと、制作予算の半分も回収できすじまい。日本での初週興行成績も1億500万円の初登場5位にとどまり、最終的な全世界興行収入でも1億ドルに満たない、配給元の期待を裏切る興行成績に終わった。

真田広之やRainなど、アジアのキャストも出演を果たしているものの、結局のところ、同作は、大人向けなのか、子ども向けなのか、ターゲッティングが不明瞭なことが失敗の主な要因とされている。

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