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個性ほとばしる”ふてほど”女性陣

不適切にもほどがある第1話より ©TBS

クドカン脚本の個性的なキャラクターに息を吹き込む俳優陣。今回は、仲里依紗、吉田羊、河合優実にスポットを当てたい。

まず、主人公・市郎の恋の相手でもあり孫でもある犬島渚を演じる仲里依紗。彼女の魅力は何と言っても感情の出しっぷりの気持ち良さではないだろうか。怒りの感情一つとっても目を見開いたり、歯を噛み締めながら怒ったりと様々なパターンがあり、出し惜しみがない感情の放出加減に、ヒロイン・渚のスカッとした性格が表れている。

さらに市郎を誘惑する時の顔も、茶目っ気たっぷりでかわいらしく、仲里依紗だからこそ演じることができた渚だと感じる。

次に向坂サカエを演じる吉田羊。彼女は特にカンの良さや笑いのセンスがずば抜けている。社会学者のサカエは、昭和の不適切な価値観に一石を投じる役割を担う。

劇中でも触れられていたが、小さい頃から口うるさい性格で「PTAと呼ばれていた」という。その様子をビジュアルからも体現しているが、真面目なキャラクターに反して、女性キャストの中で一番クドカンの笑いに応えているのがサカエを演じる吉田羊である。

彼女は昭和にいない市郎の代わりに純子をお世話するため、あまり出番が多い方ではないが、その少ない出番でインパクトを残すことに成功している。ふとした瞬間の口角を上げる顔の芝居やツッコミの大きさ、タイミングなど、彼女ほどうまくできる女優はなかなかいないのではないだろうか。

第2話でのレビューでも触れたが、筆者は純子に市郎がタイムスリップしたことを伝えるシーンの「宜保愛子じゃない!…まさか宜保愛子じゃないと叫ぶ日が来るとはね」のツッコミの鋭さをいまだに引きずっている…。

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