反発し合いながらも支え合ってきた父娘の最後の日々

瞳が6歳の時に母・佳乃（森カンナ）を交通事故で亡くし、以来22年間、反発し合いながらも支え合って生きてきた父娘が、2人での残された時間を悔いなく過ごそうとする。そして個性豊かな周囲の人たちを慌ただしく巻き込みながら、瞳も知らなかった雅彦の過去や思い、瞳の結婚相手の秘密などが明らかになっていく。

第1話は冒頭、VHSビデオで撮影したと思われる、佳乃が瞳を産んだ出産シーンから始まる。そして2024年元旦、瞳はおせち料理を前に、雅彦から「報告したいことがある」と切り出される。瞳もまた雅彦に報告があったため、2人は「せーの」で同時に発表することにする。

雅彦と瞳が「3か月後に死んじゃいます」「3か月後に結婚します」とそれぞれ同時に告白する。2人は愕然とする。雅彦は、瞳の恋人が東大中退であるものの、10歳も年上である上、鳴かず飛ばずで、YouTube再生回数も絶望的に伸びていない38歳の“インテリ勘違い芸人”を自称する地下芸人「カズマルくん」の川上一馬（濱田岳）だと知り、「これでは死んでも死にきれない」と言いつつ、結婚に猛反対する。

結婚に反対された瞳は逆ギレし、ステージ4の膵臓がんという雅彦の告白を嘘だと決めつけ、反対されても絶対に結婚すると言い張る。瞳は、伯母で、雅彦の姉でもある神尾まき（筒井真理子）に相談し、雅彦は都合が悪くなると仮病を使うクセがあることを聞き出す。しかし一方で、一馬との結婚については慎重になるべきと助言する。