大河の真の目的
龍たちの計画もいよいよ大詰めを迎えようかというとき、詩(山本千尋)と奏(安斉星来)だけでなく、瀬奈(山谷花純)と松長(後藤剛範)も“ケダモノ”側に寝返っていることが盗聴により明らかになる。さらに頃合いを見計らったように大河(ジェシー)が再度防犯システムをハッキング。空港は大河の手に落ちた。
本来であれば、最後の配信を途中から録画映像に切り替え、稼いだ時間で逃亡を図ろうと考えていた龍たち。ところが、人質たちは大河に奪われ、要塞のごとく閉ざされていたシャッターは開かれてSATがなだれ込んでくる。
自身に宿った新しい命を守りたいと、大河について行くのではなく空港に残ることを選んだ瀬奈。彼女に向って大河が放った銃弾は、彼女を守ろうとした丹波に命中する。
SATたちに追い詰められ逃げ場をなくした堀江(竹内まなぶ)と瑠美(サーヤ)は、無謀とわかりながら応戦。必死の抵抗も虚しく、捕まってしまう。
丹波によって逃がされた瀬奈と直樹(岩瀬洋志)も、結局SATの追跡からは逃れられない。
各所で響く銃声と悲鳴を、龍は一体どんな気持ちで聞いていたのだろう。瞳からこぼれた大粒の涙に、胸を痛めずにはいられなかった。
人質全員と裕子(比嘉愛未)を連れ、大河は横浜ベイサイドホテルへと走り出す。大河が全員の命を奪おうとしていること、そして何より駿河までも連れて行かれたことで、龍は単身、バイクにまたがって大河たちを追いかける。
そこにいるのは、かながわ新空港促進協議会会長の丸亀や刑事部長の大久保、SE-MATの棚倉だ。空港の地下で見つかったというネオメタンに関わる要人たち。「締結を邪魔させるわけにはいかない」という丸亀の言葉から、このあとここで取り交わされるなんらかの条約を、大河は止めようとしているのかもしれない。もしかすると、身を挺してでも。