ホーム » 投稿 » 日本映画 » 劇場公開作品 » 浜田省吾、伝説のライブが蘇る。映画『A PLACE IN THE SUN at 渚園』プロデューサー&監督インタビュー » Page 3

「神様からの贈り物だったのかな」
浜田省吾の歌声を現代の観客に届ける意味

写真宮城夏子

―――現在に至るまで浜田省吾さんとの素敵な関係性がずっと続いているんですね。

岩熊「僕は、浜田省吾の『メディアには出ない』という意向をずっと意識しながらプロデューサーの立場で考えて、この映画の製作に至りました。当時、30曲だった演目を、17曲に絞り、板屋さんに提案するなど、僕がやれることは全てやり尽くしたといった感じでしょうか」

板屋「ステージの設営からライブ当日まではずっと雨予報だったんです。前日のリハーサルでも雨が降りましたし。でも、ライブ当日に雲間からのぞいている綺麗な朝焼けから、昼間には晴れるという奇跡が起こりまして。神様からの贈り物だったのかな」

―――あの青空から夕暮れとなる野外ライブならではのドラマティックさは、最高です。

岩熊「ありがとうございます。でも、今思えば、もっと昼間のシーンを撮っておけばよかったなと。誰もあんな野外ライブなどやっていなかった時代なので、勝手がわからなかったんです(笑)」

―――お2人の浜田省吾さんと仕事で関わるきっかけは何だったのですか?

板屋「1986年に『二人の夏』のMVを監督したのが最初ですね。浜田さんは当時からあまりメディアに出ない人というイメージが強かったので、『二人の夏』もほとんどがジオラマ(街の模型)撮影でした(笑)」

岩熊「僕は、1976年にソロデビューした当時から、ずっと関わってきました。上京して1983年にパーソナルオフィスを立ち上げ、今に至っています。なるべく小さなスタッフでと思い浜田省吾と関わってきたので、このライブもこの映画も、僕たちにとっての一つの礎としての作品だと感じています」

―――最後に板屋監督から、メッセージはございますか?

「5月5日から3週間期間限定公開となるのですが、老若男女問わずに多くの人に観てほしいですね。劇場が暗くなって映画が始まったらそこは 1988年8月20日。あの暑かった夏の日の110分間を楽しんでほしいです」

―――今の若者は、80~90年代の音楽も遡って聴きますものね。

「でも公開初日がまだ来てほしくないという複雑な気持ちもあるんですよ。始まりがあれば終わりもある。ああ、そこから公開終了までのカウントダウンが始まるんだなと(笑)。いや、おっしゃる通り、浜田省吾を知らない若者たちにも、普遍的な歌詞のメッセージ性や、音楽性のよさを堪能してほしいので、ぜひ、ご覧ください!」
(文・ZAKKY)

【作品情報】

監督:板屋宏幸
企画製作:Road&Sky
配給:ライブ・ビューイング・ジャパン
宣伝:とこしえ
協力:Sony Music Labels Inc.
2023年/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/110分
©2023 Road & Sky
公式サイト

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