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自然体で役を演じる
デートシーンは“ほぼアドリブ”

写真宮城夏子

―――現代パートでは、亜美と隼人が心の距離を縮めていく過程が繊細に描かれています。2人の醸し出す雰囲気が本当のカップルを見ているようでした。

「脚本にセリフが書き込まれていないシーンも多々あって、アドリブでセリフを繰り出す場面が多かったからこそ、お芝居のリアリティーが増したのだと思います。

特に2人のデートシーンは、基本、『クレープを食べる』、『宝石を見ている』といったト書きしか書かれていませんでした。亜美と隼人が映画を観終わって帰路に着くシーンでは、監督から『自然体で』というご指示をいただきました。

撮影前に阿久津さんとディスカッションして、お互いが観ている映画をすり合わせ、本番ではその作品についてアドリブで話をしています」

―――阿久津さんとは初共演となりましたが、ディスカッションを重ねることで、お芝居の共通認識を深めていったのですね。

「そうですね。今回、撮影が雨期だったので、撮影を中断して雨宿りをするケースが度々あったんです。阿久津さんとは、その時間を利用して『次のシーン、どうしようか?』とよく話し合っていました」

―――お2人が雨宿りしながら次のシーンに向けてディスカッションをしている様子は、それ自体で映画になりそうです(笑)。

「もしかしたらメイキングに映っているかもしれません(笑)。それぞれが単独で登場する場面も多いので、『あのシーンの撮影どうだった?』と訊き合って、自分が出演しないシーンについても情報を交換し合うことができました」

―――阿久津さんとはどのように高め合っていったのでしょうか?

「私と阿久津さんは、どっちも褒められて伸びるタイプなんです。『ここ良かったね』とお互い褒め合うことで、『よし、次のシーンも頑張ろう』と、エンジンをかけ合っていました」

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