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演者のイメージとリンクしたキャラクター〜演技の魅力

© 2008 Studio Ghibli・NDHDMT
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『もののけ姫』(1997年)以降、俳優やタレントといった非声優陣を積極的にキャストに起用してきたジブリ。本作では、まるで役者に当て書きされたのではないかと思うほど演者と役がリンクしている。

まず筆頭は、耕一の母・リサ役の山口智子。デイケアセンターの職員を務めるリサは、強さと優しさを兼ね備えており、サバサバとして気風のいい山口のイメージそのままのキャラクターといえる。

また、女性役では、グランマンマーレ役の天海祐希にも注目したい。山口同様、サバサバとした印象のある天海だが、本作では宮崎から色気のある演技を要請されたという。宮崎のこのアドバイスの甲斐もあって、おおらかで包容力のあるグランマンマーレを見事に表現している。

そして本作で最も演者の素に近いのが、長嶋一茂が演じる宗介の父・耕一だろう。近年はタレントとしての活躍が目立つ長嶋だが、本作で少し頼りない「海の男」を自然体で演じており、全く違和感がない。

一方、役と演者が異なるのが、フジモト役の所ジョージだ。アメリカのコメディドラマ『アルフ』(1986年〜)のアルフ役や、『トイ・ストーリー』(1999年〜)シリーズのバズ・ライトイヤー役などを担当し、達者な声優演技を披露してきたが、本作では棒読み感が目立つ。しかし、所の演技のぎこちなさが、逆にフジモトの内面の頑なさを巧みに表現しているといえるかもしれない。

なお、本作の声優といえば、ポニョ役の奈良柚莉愛と宗介の役の土井洋輝も忘れてはならない。2人も子役ならではの屈託のない演技を披露している。

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