⑥長編小説『真夏の方程式』(2011)
原作内容
連載:『オール讀物』2003年6月号 – 2004年6月号、2004年8月号 – 2005年1月号 (連載時の題名は「容疑者X」)
2003年から文芸誌『オール讀物』に連載され、2005年8月に文藝春秋より出版された「ガリレオ」シリーズの第三弾にして、初の長編作品。本格ミステリ大賞、直木三十五賞をはじめ、国内の著名な文学賞を受賞し、東野圭吾の代表作となった。2008年にテレビドラマ『ガリレオ』の劇場版として映画化。その後、2012年に韓国版、2017年に中国版の映画が製作されている。
映画『真夏の方程式』(2013)として実写化
公開日:2013年10月4日
監督:西谷弘
脚本:福田靖
撮影:柳島克己
音楽:菅野祐悟
出演:福山雅治、吉高由里子、北村一輝、杏、山﨑光、塩見三省、白竜、西田尚美、風吹ジュン、前田吟
作品内容
湯川は、美しい海辺の町・玻璃ヶ浦を訪れる。町では環境開発が進行中。開発推進派と反対派が対立する中、湯川は中立の立場であるアドバイザーとして、説明会に招かれたのだった。
湯川が町を訪れた翌日、海岸から1人の男の遺体が発見された。遺体の身元は、元刑事・塚原正次(塩見三省)である。彼は15年前に起きたホステス殺人事件を調査しており、犯人の仙波英俊(白竜)の行方を追って町を訪れていた。
当初、塚本の死因は崖から足を滑らせたことによる転落死と見なされていた。しかし、解剖の結果、何者かによって一酸化炭素を用いて殺害されていたことが判明。警視庁は女性刑事の岸谷美砂(吉高由里子)を町に派遣。湯川は岸谷と協力して事件解決に挑む。
テレビシリーズで描かれたストーリーのおよそ2ヶ月後の物語。不可解な殺人事件とともに、湯川と環境保護活動家・成美(杏)との対立も描いており、科学技術と環境保護の衝突が裏テーマとなっている。撮影は北野武監督作品でおなじみの柳島克己。ちなみに、劇場版第一弾『容疑者Xの献身』のカメラマン・山本英夫も、『HANABI』(1997)で北野武とタッグを組んでいる。
湯川と対立する環境保護活動家を演じるのは杏
15歳のときに玻璃ヶ浦に移り住んで以来、海の環境保護に力を入れるようになった。科学者の湯川とは考えが合わずに対立。毅然とした態度が特徴的だが、玻璃ヶ浦に移り住む以前の少女時代に壮絶な体験をしており、メインで描かれる殺人事件と深く関係していることがわかる。
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