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「役者業は人生そのもの」映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』出演・小倉史也、単独インタビュー

text by 山田剛志

普通の10代男子がひょんなきっかけから【e スポーツ】全国大会に挑むことになる青春映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』が3月8日から公開。今回は、出演の小倉史也さんへインタビュー。役づくりや共演の奥平大兼さん、鈴鹿央士さんとのエピソード、役者業にかける思いなどをお伺いした。(取材・文:山田剛志)

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【小倉史也 プロフィール】

1997 年6月10日、埼玉県出身。子役から俳優活動をスタートし、映画『20 世紀少年』で物語のキーパーソンとなるキャラクター・ヨシツネの幼少期の役を務める。その他、ディズニー映画『フランケンウィニー』(12、監督:ティム・バートン)で日本語吹替声優に挑戦するなど着実にキャリアを積んだのち、大学入学後に俳優業を一時休止。幼少期から取り組んでいたヒップホップダンスに専念し、大会やイベントでは振付を担当、日本1の大学ダンスサークルを決める大会「JDC2018」で3位入賞を飾るなど、ダンサーとしてのキャリアを重ねる。2021 年大学卒業後からは俳優業を再スタートさせ、新たな TVCM、ドラマ等に続々と出演。2022 年より公開された、新しい学校のリーダーズと NIKE 塾のタイアップ曲「Woo! Go!」の PV では大学時代に培ったダンススキルを披露し話題を集めた。

「愛してもらえるようなキャラクターにしたい」
映画のキーパーソンを演じるにあたって

写真:武馬怜子 ヘアメイク:安藤メイ、スタイリスト:長谷川礼
写真武馬怜子 ヘアメイク安藤メイスタイリスト長谷川礼

――小倉さんは子供の頃から役者のお仕事をなさっていて、高校卒業のタイミングで一度芸能活動を休止され、本作が映画復帰作となります。今回、演じられた“亘”というキャラクターは、コメディーリリーフとして重要な役割を果たしつつ、映画の始まりと終わりとで最もダイナミックに印象が変わるキャラクターだと思いました。どのようなアプローチで役作りに取り組まれましたか?

「亘くんは、家柄が良くて、それもあってかどんな時でも斜に構えがち。クラスに友達はいないし、人があんまりついてくるタイプではありません。そういう基本的な部分はしっかり表現しつつ、それと同時に、“単なる嫌な奴”に終わらせず、観る人から愛してもらえるようなキャラクターにしたいなと思いました。

僕と亘は、根っこの部分で共通点があったりもするので、そういう部分をぎゅっと凝縮させて、そこに柔らかさを足してマイルドにする…といった意識で調整しながらやっていました」

――なるほど。亘のどのあたりに共通点を感じましたか?

「僕も反抗期は、結構斜に構えていたんです。劇中で亘が親の前で見せる態度とかも、もし僕の両親が見たら『家にいる時の史也そのまま』って言うんじゃないかと。

あとは、僕はアニメが好きでよく観るので、オタク気質みたいなところも共感できるなと思いました。とはいえ、僕はあそこまでひねくれてはいません(笑)。ちゃんと友達はいましたから。逆に言うと『あそこまで周囲と距離をとるって一体どんな気持ちなんだろう』って“謎解き”みたいな感覚で役づくりをしていました」

――“謎解き”という表現はとても素敵ですね。今回、小倉さんはシチュエーションによってお芝居を細やかに変化させていて目を惹かれました。例えば、教室で達郎(鈴鹿央士)と会話をするシーンと、家で電話を介して会話をするシーンではモードがかなり違いますよね? あの辺りも意識して演じ分けられたのでしょうか?

「実はロケ地である徳島に入って、クランクインして初めて撮影したのが亘の家のシーンだったんです。亘が登場するのは教室のシーンからなので、順番が逆。部屋のシーンで初めて亘を演じて、かなり自由にやらせていただく中であのひねくれた感じが出せました。

その上で学校のシーンに臨んだんですけど、鈴鹿君のお芝居から受けた影響もあってか、ああいうリアクションになりました。家の中は自分だけの世界であって、周囲から守られているので、ちょっと尊大な態度になったりする。結果的に亘の色々な面が表現できたと思います」

――とても人間らしくて、亘というキャラクターの見え方が変わる重要なポイントになっていると思いました。家族と食卓を囲む場面がありますが、「友達ができて安心した」という母親の言葉を受けて、亘が「そんなんじゃないけど」と言って、少し笑いますよね。「巻き込まれた」って口では言いつつ、本当はちょっと嬉しいんだなっていうのが絶妙に伝わってとても良かったです。

「笑顔になりすぎないようにめちゃめちゃ抑えましたね。反抗期なので、ぶっきらぼうな部分はちゃんと残っているんですけど、やっぱりちょっと嬉しかったんでしょうね」

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