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『ブルーロック』のメインテーマである”エゴ”

©金城宗幸・三宮宏太・ノ村優介・講談社/「劇場版ブルーロック」製作委員会 
©金城宗幸三宮宏太ノ村優介講談社劇場版ブルーロック製作委員会

さて、今回の映画では、これまで描かれなかった凪・玲王コンビの背景が色濃く描かれている。原作やアニメ1期では「総当たりリーグ戦で圧倒的な強さを誇る天才キャラ」として登場するが、2人の関係性は深く追及されない。

今回の映画を見て、より凪・玲王コンビに愛着が生まれた。また先述した通り、凪を通して、より『ブルーロック』で描きたい「エゴ」というテーマを理解できたように思う。

筆者は今作を見て、再度マンガを読み返した。『ブルーロック』を改めて体感したくなった。『ブルーロック』ならではの熱さを再確認したくなった。いわゆるエモい、ってやつだ。

emotionalの対義語は、rational (理性的)だ。理性の背景には「ロジック(論理)」がある。『ブルーロック』の魅力は「エモーショナル」だけでなく「ロジック」が同居しているところにあると思う。

「なぜエゴを重視すると試合に勝てるのか」を、実在する選手を例に挙げつつロジカルに教えてくれる。そのうえで、作品を通して「競争」が発生するよう、厳しく環境設定しているからこそ、本気度が高まって”エモさ”が生まれる。

この感情と理性のバランスが、何回読んでも本当に素晴らしい。ロジックがあるから、もう大人になってしまった男性も、納得しながら没頭できる。

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