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音声泣かせの宇宙人言語

©浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
©浅野いにお小学館DeDeDeDe Committee

また、小ネタでいうと、個人的に唸ったのは「宇宙人が話す言語」だ。原作ではひらがなをもじったような未知の文字で表現されており「読めそうで読めない」 のである。アニメ化を知ったとき、真っ先に「これ、どうやって再現するんだ……」と思っていた。

“音声泣かせ”ともいえるお題だが、「聞き取れそうで聞き取れない言語」を体現できていて感動した。確実に日本語らしき言葉を話しているのだが、絶妙に聞き取れない。これは原作ファンも、かしわ手を打ったのではないか。

ただ小ネタとして逆に原作ファンとして「再現してほしかったなぁ」と思ったのは「門出とおんたんが屋上で『…まじか。』『マジです。』」と会話する1巻のタイトルコール だ。

原作マンガではとってもオシャレに表現されており、まさに「映画感たっぷり」な演出で、2014年当時、度肝を抜かれた覚えがある。アニメ版ではタイトルコールのタイミングは同じだが、演出は変わっている。

また、浅野いにお先生の作品のセリフを音声で聞くと、若干の恥ずかしさを覚えることに気付いた。登場人物があえて小難しい言葉を使ったりするのだが、この”こじらせ感”に共感性羞恥を覚えるわけだ。

これは紛れもなく、筆者自身が20代前半くらいまでこじらせていたからである。枕に顔をうずめて「わああああ!」と叫びたくなるあの感じ、を覚えた原作ファンも多いのではなかろうか。

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