ホーム » 投稿 » 日本映画 » 劇場公開作品 » そこにゴジラへの愛はあったのか? 映画『ゴジラ−1.0』は「ご都合主義がエグい…」。忖度なしガチレビュー » Page 4

そこにゴジラへの愛があったのか

映画『ゴジラ-1.0』主演の神木隆之介(東京国際映画祭)
映画ゴジラ 10主演の神木隆之介東京国際映画祭Getty Images

多少のご都合主義も、映画のテンションが高ければ気にならないはず。そこにツッコミを入れたくなってしまうのは、ゴジラそのものに対する熱を感じられないからかもしれない。

本作が、山崎監督の集大成であることは大いに伝わってくる。『ALWAYS 三丁目の夕日』の昭和レトロ、『永遠の0』の太平洋戦争やゼロ戦、『海賊と呼ばれた男』『アルキメデスの対戦』の海や大型船の描写。『SPACE BATTLESHIPヤマト』も入っているかもしれない。もちろん“ドラ泣き”も。

とはいえ、ご都合主義フィルターを通してみると、すべてが裏返る。周知のとおり、山崎監督は西武遊園地のアトラクション『ゴジラ・ザ・ライド』の映像を手がけている。そうした点を含め、いままで調べた資料やCGの基礎データを流用できるので、このような設定・物語にしたのではないだろうかと勘ぐってしまう。

山崎貴は、今回も監督・脚本・VFXでクレジットされている。VFXはさすがの迫力で、邦画ではトップクラスなのは間違いない。それを監督・脚本が足を引っ張る。

数字にすると、VFXで4ポイントほど稼いだ点数を、脚本で2ポイント、演出で3ポイント減点。差し引きすると-1、という所だろうか。

(文・灸怜太)

【作品概要】
監督・脚本・VFX:山崎貴
神木隆之介 浜辺美波
青木崇高、山田裕貴、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介
配給:東宝
©2023 TOHO CO., LTD.
2023年製作/125分/G/日本
公式サイト

1 2 3 4 5
error: Content is protected !!