人に“寄り添うこと”について
今回の作品を経て、山添や藤沢の生きづらさをはじめ、職場の社長や同僚など取り巻く人たちの言動を通して“寄り添う”ことについても考えさせられた。相手の領域に踏み込むおせっかいでも、全くの無関心でもない繋がり。こんな職場だったら…と思いを馳せた人も多いのではないだろうか。
一発で症状が治るような解決法は見つからないけれど、ほどよい距離感でそれぞれが自立して、それでも時には気にかけて…。心をじんわりと温めてくれる静かで優しい作品だ。
今年1月に行われた『夜明けのすべて』プレミアナイトイベントの取材を通して、このような雰囲気の作品が誕生した理由の一旦に触れられた。三宅唱監督をはじめ、松村や上白石らが語る制作現場の様子など、今作の雰囲気がどのようにして生まれたのか、夜空で星座を見つけるように彼らの言葉にも触れて欲しいと思う。
(文・柚月裕実)
【作品情報】
『夜明けのすべて』
監督:三宅唱
脚本:和田清人 三宅唱
出演:松村北斗 上白石萌音
渋川清彦 芋生悠 藤間爽子 久保田磨希 足立智充
りょう 光石研
原作:瀬尾まいこ『夜明けのすべて』(水鈴社/文春文庫 刊)
©瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会
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