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挑戦と遊び心に満ちた撮影にフォーカス

② 2人のカメラマンを併用。ローウェル・A・マイヤーは屋外のシーンを担当

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こうした傾向は『ノック』にも共通して見出せる。本作の撮影は、スケジュールの都合で二人のカメラマンによる分業制となっており、屋外の場面をローウェル・A・マイヤーが、室内の場面をジェリアン・ブラシュケがそれぞれ担当する形をとっている。

二人はいずれもジオラキス同様に『サーヴァント』に参加しており、自らの眼で彼らの実力を確認したシャマランが、今回改めてオファーを送った形だ。

彼が『サンダーロード』(2018)などで撮影を担当したマイヤーの野外ロケ撮影に惚れ込んでいたことは、『サーヴァント』での担当エピソードからも伝わってくる。

全4シーズン40話の大半がターナー家の屋内で進む同ドラマにおいてマイヤーは、数少ない屋外の場面が中心となって展開されるエピソードを複数撮影している。

たとえば、家にこもっていた主人公リアン(ネル・タイガー・フリー)が近所の通りで開催される祭りに参加し、そこでカルト団体に追われる様を描いたシーズン3第5話「Tiger」では、マイヤーは顔の半分に虎柄のペイントを施した彼女とボーイフレンドの会話を顔の左側と右側からそれぞれ捉えるショットを連鎖させることで、会話の中で素顔とペイントされた顔が交互に現れる奇妙なユーモアをたたえた場面を作り上げた。

また、シーズン4第1話「Pigeon」では通りでのヒッチコック『鳥』(1963)を思わせる不気味な鳩の動きを、第6話「Zoo」では家の裏庭で行われた子供の半年遅れ(!)の誕生会で、ゲストの一人である謎の男が操る蛇などの動物が不吉な事件をもたらす様を、それぞれ印象的に捉えた彼のカメラは、同様に『ノック』の冒頭でも、バッタをめぐる些細な場面を通じて、さりげなく映画に黙示録のイメージを導入することに成功している。

シャマランは、宗教的な象徴や不吉な予感と結びついた、人間以外の生物を収めた野外ショットを撮るマイヤーのセンスを信頼していると言えそうだ。

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