『裏窓』【ネタバレあり】あらすじ
翌日、ジェフは友人で刑事のトーマス・ドイルを電話で自宅に呼び出す。その間、ラーズは長距離電話で誰かの指示をまっているようだった。しばらくしてやってきたドイルは、ジェフの疑惑を妄想だと判断し、取り合おうとしなかった。
外で花壇を掘り返そうとする子犬をラーズが追い払っている様子を見て、ますます疑惑の念を強くするジェフ。
そんなジェフの様子を見たドイルは、念のために調査した結果を報告しに訪れた。アパートの管理人が証言するには、ソーワルド夫妻は昨日の朝6時に2人揃って出かけ、その後、アンナは1人で列車に乗って田舎に向かったと言う。
ドイルの報告に納得がいかないジェフは、ソーワルド夫妻の自宅を探るように訴えるが、そんな権限はないとドイルは断る。
その夜から、ラーズは荷造りをし始めた。長距離電話をかけたり、アンナのバッグを漁ってアクセサリーを取り出したりと、せわしなく動き回っている。
そんな一連の様子をリザに話すと、リザは女性であれば旅行先には愛用しているバッグを持っていくこと、そして宝石を無造作にバッグに入れていることはおかしいと指摘する。
その後、訪ねてきたドイルに、やはりラーズの動きは怪しいと訴えるも、ドイルはプライベートな問題でしかないと一蹴する。ドイルを見送ったジェフとリザは事実を受け入れようとしたところ、突然誰かの泣き叫ぶ声が鳴り響いた。
アパートの住人が飼っていた子犬が、何者かによって殺されてしまったようである。住人がいっせいに注目する中、ジェフは、ラーズだけが姿を見せないことに気づく。そのことから子犬殺しの犯人はラーズだと確信したジェフは、その理由に迫る。
翌日、裏庭のある異変に気付いたジェフは2週間前に裏庭を撮影したフィルムと現在の様子を比較して「なぜ子犬を殺したのかわかった」とつぶやいた。
ソーワルド家の花壇の端に植えられていた花が2週間前より短くなっており、その場所には何かが埋められていると推測できた。だから花壇を荒らされること嫌ったラーズが邪魔な子犬を殺したと考えたのだ。
なんとか証拠を見つけたいと思ったリザとステラは、アンナの結婚指輪が事件の謎を説く手がかりになると考えた。既婚者なら肌身離さず身に着けている結婚指輪が家に残されていれば、アンナの身に何かが起こったということがわかる。
リザとステラは花壇を掘り返す計画を立て、足が折れて動けないジェフは、ラーズに事件のことをにおわせる電話をかけてホテルのバーに向かわせる。
リザとステラはさっそく花壇を掘り返すも、何も出てこなかった。するとリザははしごを登ってソーワルド家に忍び込んでしまう。ジェフとステラが見守っていると、リザが何かを発見したようであった。
だがそこにラーズが帰ってきてしまい、慌てて隠れようとするリザだったが、見つかって引き倒されてしまう。ジェフは慌てて通報すると、間も無く警察がソーワルド家に到着した。安堵するジェフだったが、リザは手を使ってサインを送り、何かを伝えようとしていた。
リザは、アンナの結婚指輪を発見していたことを伝えてきていた。ジェフとステラはそのことに喜ぶが、同時にラーズもリザのサインに気づき、ジェフの存在を知るのであった。
リザは不法侵入の罪で逮捕され、保釈金を払うためにステラは署に向かう。
そこへドイルからの電話が鳴り、ジェフは早くラーズを逮捕するようにと訴えた。電話を終えて、顔を上げるとソーワルド家の電気が消えていた。再び鳴った電話をとったジェフは相手がドイルだと思い込んだまま話し始めるが、受話器の向こうでは沈黙が続いていた。
自分が今話しているのが、ドイルではなくラーズだと直感したジェフは、ゆっくりと受話器を置き、裏窓の方へ移動する。すると部屋の方へ迫ってくる足音が聞こえ、ラーズが入ってきた。
ラーズは指輪を返せと要求し、それに応えないジェフの首を絞めて窓から突き落とした。そこへドイルとリザが駆けつけ、ラーズは取り押さえられる。
窓の外に落ちたジェフは、なんとか一命をとりとめた。
この騒ぎに、窓から顔を出した住人たち。子犬が掘り返したものは帽子箱の中から発見されたが、それが何なのかドイルははっきりと言わなかった。
後日、アパートに戻ったジェフは、両足にギプスをはめていた。そんな彼を見たリザは微笑んだ。