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グレース・ケリーの美貌に注目~配役の魅力

グレース・ケリー
グレースケリーGetty Images

本作の主人公ジェフを演じるのは、ジェームズ・ステュアート。善良なアメリカ市民を数多く演じ、「アメリカの良心」とも呼ばれたアメリカを代表する名優だ。

本作のジェフは、足を怪我しているため、歩いたり走ったりといった動きの演技が難しい。加えて、本作のジェフの演技は、ほとんどが向いのアパートの住人たちのリアクションから成り立っている。にもかかわらずステュアートは、細やかな表情の演技のみで心情を表現。ジェフの誠実さや弱々しさをときに繊細に、ときにコミカルに演じている。

加えて、リザ役のグレース・ケリーにも注目。出演作は少ないながらも、その美貌からマリリン・モンローに対抗する“クール・ビューティー”として話題を集めた彼女。27歳のときにはモナコ公国レーニエ大公と結婚して芸能界を引退し、世界中で大きな話題を集めたことで知られる。

ヒッチコック作品では本作のほか『ダイヤルMを廻せ!』(1954年)や『泥棒成金』(1955年)などに出演している彼女だが、本作ではシーンごとに衣装デザイナーのイーディス・ヘッドのデザインによる渾身の衣装を着用。息をのむほどの美貌を披露している。

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