ホーム » 投稿 » 海外映画 » 劇場公開作品 » 映画『Pearl パール』×元映画館で一夜限りのスナック”パール”開店。声優・野水伊織が「1日ママ」に

映画『Pearl パール』×元映画館で一夜限りのスナック”パール”開店。声優・野水伊織が「1日ママ」に

text by 編集部

『ミッドサマー』を手掛けた最注目スタジオA24が贈る最新作『Pearl パール』が現在絶賛公開中だ。本作の公開を記念して《元映画館》とコラボレーションし「スナック“パール”開店〜一夜の夢〜」と銘打った一夜限りのスナック「パール」を7月9日(日)に日暮里・元映画館にて開店しトークショーなどが開催された。

大島依提亜のパンフレット制作秘話も

スナック「パール」開店〜一夜の夢〜イベント
スナックパール開店一夜の夢イベント

この度、「スナック“パール”開店〜一夜の夢〜」と銘打って一夜限りで実施した本イベント。会場となった《元映画館》には17時半の開店と同時に多くの映画ファンが集った。入口で、映画を象徴する赤色の染まったポップコーンと非売品缶バッジ付きチケットを購入して入店。場内ではパールをモチーフにしたオリジナルカクテルやフードを片手に、『Pearl パール』と『X エックス』の各種ポスター展示や、劇中でパールが映写窓からスクリーンを覗き込むワンシーンを再現できるフォトスポットでの撮影を楽しむ姿が多く見らトークショーでは、大のホラー映画好きを公言している声優の野水伊織が、パールとお揃いの真っ赤なワンピースを着て、自前で用意したという“マイ斧”を持って登場。

スナック「パール」開店〜一夜の夢〜イベント
スナックパール開店一夜の夢イベント

『Pearl パール』の感想を聞かれると、「パールの顔は、少女のようなあどけなさが残っていて、その年齢ならではの声色を表現していたので、声優としても勉強になりました。自分もオーディションに立つ側として、あのシーンを観ていると共感性羞恥に似た感じで「うわー!」って(笑)。このシーンは純粋に楽しめなかったです。」と、舞台に立つ側の人間としてパールの苦しさに共感した様子だった。

スナック「パール」開店〜一夜の夢〜イベント
スナックパール開店一夜の夢イベント

テーマについて聞かれると、「『X エックス』を観たときは若さとか、年齢の話などのテーマがあると思ったのですが、『Pearl パール』を観ると印象がガラっと変わりました。表現の世界にいると、オーディションって(演技やダンスが)うまい子が選ばれるかというと、そうでもなかったり、その時々で求められているものは受ける側にはわからないので、何が“X ファクター(未知の才能)”になるかわからないという状況がありつつ、パールとマキシーンの2役をミア・ゴスが演じることで“女性の執念”を描くことがこの作品のテーマなのかなと思いました」と、ミア・ゴスが一人二役を演じていることがもたらす本作の恐ろしさを語った。

スナック「パール」開店〜一夜の夢〜イベント
スナックパール開店一夜の夢イベント

また自身で好きなホラー映画の“武器”を作るのが趣味という野水は「今回は小さめの斧でしたが、次は、ピッチフォークを作ります(笑)」と意気込んだ。この日、野水はスナック“パール”の開店時から1日ママとしてバーカウンターにも立ち、訪れた客と作品について歓談したり、記念写真撮影に応じていた。

つづいて、本作のほか『ミッドサマー』や近年のA24作品の日本公開時のグラフィックデザインを手掛けるデザイナーの大島依提亜が登場。初日から完売する劇場がでるほど好評の本作のパンフレットについて聞かれると、「『Pearl パール』のパンフレットは中の文章が縦書きです。本作の舞台は1918年ですが、作品のルックは1950年代のイメージなので、その時代の映画パンフレットはどういったものかをリサーチしてこの形になりました。海外ではそもそも映画のパンフレットが存在していないので、当時、日本で発売された洋画のパンフレットを参考に作りました。」と話した。

スナック「パール」開店〜一夜の夢〜イベント
スナックパール開店一夜の夢イベント

本作の感想について「続編と言うにはもったいないくらい、単独作として完成度が高かったと思います。ジャンル映画を観ていると、そのジャンルに真摯に寄り添えば寄り添うほど突き抜けて、映画表現自体の新しさを更新するような可能性がある瞬間に立ち会う時がよくあるんです。今年のアカデミー賞作品賞を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』もそうですし。『Pearl パール』も、アカデミー賞からは遠い作品ではありますが、徳が高い、非常に大事な映画だと思います」と話した。

ヒグチユウコの描き下したイラストを、大島がデザインした日本限定のオルタナティブポスターに関しても話題がおよび、終始大盛り上がりのイベントとなった。夢見る少女は、いかにして無慈悲かつ凶暴なシリアルキラーへと変貌していくのか――?悪魔的(デモニッシュ)な魅力で世界を虜にした、映画史上、もっとも無垢なシリアルキラー“パール”が誕生!!『Pearlパール』はTOHOシネマズ日比谷ほか全国の劇場で絶賛上映中!

【スナック「パール」開店〜一夜の夢〜イベント詳細】

◎日程:7月9日(日)17:30開店/20:30閉店
◎場所:元映画館(荒川区)
◎野水伊織(声優)、
大島依提亜(グラフィックデザイナー)
奥浜レイラ(映画パーソナリティ)

【あらすじ】

スクリーンの中で踊る華やかなスターに憧れるパールは、敬虔で厳しい母親と病気の父親と人里離れた農場に暮らす。若くして結婚した夫は戦争へ出征中、父親の世話と家畜たちの餌やりという繰り返しの日々に鬱屈としながら、農場の家畜たちを相手にミュージカルショーの真似事を行うのが、パールの束の間の幸せだった。

ある日、父親の薬を買いに町へ出かけ、母に内緒で映画を見たパールは、そこで映写技師に出会ったことから、いっそう外の世界への憧れが募っていく。そんな中、町で、地方を巡回するショーのオーディションがあることを聞きつけたパールは、オーディションへの参加を強く望むが、母親に「お前は一生農場から出られない」といさめられる。生まれてからずっと“籠の中”で育てられ、抑圧されてきたパールの狂気は暴発し、体を動かせない病気の父が見る前で、母親に火をつけるのだが……。

【作品情報】

監督:タイ・ウェスト 脚本:タイ・ウェスト、ミア・ゴス
出演:ミア・ゴス、デヴィッド・コレンスウェット、タンディ・ライト、マシュー・サンダーランド、エマ・ジェンキンス=プーロ
配給:ハピネットファントム・スタジオ © 2022 ORIGIN PICTURE SHOW LLC. All Rights Reserved.
公式サイト
公式 twitter:@xmovie_jp
|原題:Pearl|2022 年|アメリカ映画|上映時間:102 分|R15+

7月7日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

【関連記事】
『ミッドサマー』のA24製作の映画『Paerl パール』、シリアルキラーを怪演、ミア・ゴス“感情7変化”場面写真解禁
映画『ミッドサマー』不愉快なのに引き込まれる…。前代未聞の“明るいホラー”の魅力を徹底分析<あらすじ 解説 考察 評価>
なぜアカデミー賞を制覇? 映画『エブエブ』のすごさを解説。まさかの涙…“本のプロ”の視点で考察【映画と本のモンタージュ】