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ドラマに静かに寄り添うトーマス・ニューマンの旋律~音楽の魅力

映画『ショーシャンクの空に』のワンシーン。 レッド役のモーガン・フリーマン【Getty Images】
映画ショーシャンクの空にのワンシーン レッド役のモーガンフリーマンGetty Images

本作の音楽を担当するのは、トーマス・ニューマン。グラミー賞を6回、エミー賞を1回受賞している名音楽家だ。

ニューマンは、本作がすでに音楽なしで感情を引き出せていると判断し、控えめで作品を邪魔しない音楽を作曲。例えば、本作の最大の見せ場である脱獄シーンで流れる「Shawshank Redemption」では、弦楽器を中心とした単音のモチーフで観客の感情を静かに高めている。

また、釈放されたブルックスが部屋で自殺をするシーンで流れる「Brooks was here」は、ピアノの旋律が印象的な楽曲。こちらも静謐で控えめな旋律で物語にしっとりと寄り添っている。

そして、終盤、釈放されたレッドがアンディのもとに向かう際に流れる「Compass and Guns」は、オーボエと弦楽器、そしてハーモニカの音色が印象的な楽曲だが、当初トーマスはオーボエのソロ曲として作曲していたという。演奏では、ハーモニカ奏者がファーストテイクから完璧な演奏を披露し、本作を代表する曲に仕上がっている。

また、アンディが放送室からスピーカーで流す楽曲は、モーツァルトの歌劇『フィガロの結婚』第3幕で流れる『手紙の二重唱 「そよ風に寄せて』。2人のソプラノ歌手の優美で伸び伸びとした歌声が、本作のテーマである自由にぴったり当てはまっている。

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