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21世紀最高の難解映画『マルホランド・ドライブ』をわかりやすく解説。深く知るほど怖い…。意味不明な壮絶ラストを徹底考察

text by 編集部
映画『マルホランド・ドライブ』の1シーン。ナオミ・ワッツ

映画『マルホランド・ドライブ』の1シーン。ナオミ・ワッツ【Getty Images】

マルホランド・ドライブ

3.5

第54回カンヌ国際映画祭 - 監督賞
第67回ニューヨーク映画批評家協会賞 - 作品賞
第27回セザール賞 - 外国映画賞

演出:
15点
脚本:
17点
配役:
16点
映像:
14点
音響:
13点

映画「マルホランド・ドライブ」をあらすじ(ネタバレあり)、演出、脚本、配役、映像、音楽の項目で解説。21世紀最高の映画に選ばれたデイヴィッド・リンチの代表作。カウボーイの意味、「マツコの知らない世界」で使用されるテーマ曲とは? その真の魅力を多角的な視点で明らかにする。<あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー>

『マルホランド・ドライブ』のあらすじ

ある夜、ハリウッドを一望できる峠道「マルホランド・ドライブ」には一台の車があった。車の後部座席には謎めいた雰囲気の黒髪の女(ローラ・ハリング)が眠っている。

彼女は、自分が大勢の人々とダンスを踊る夢の中で、ショートカットの金髪の女を見ていた。

目を覚ますと突然車が停車し、運転手の男は銃を突きつけ、車から降りろと命じるのであった。女が困惑していると猛スピードで走る2台の車が、女の乗っている車に激突し激しく炎上してしまう。

奇跡的に車から逃げ出すことができた女は、体は無傷であったが心に深い傷を負い、夜の道路をフラフラと歩く。そのうち、サンセット大通りについた女は、道路脇の植え込みに身を沈め、眠りにつく。

その頃、事故現場で現場検証を行うハリー・マックナイト刑事と相棒のダンガード刑事は、炎上した車から女性ものの真珠のイヤリングを発見し、この場を去った者がいたのではないかと推測する。

翌朝。植え込みで目を覚ました女は、近くのアパートに住んでいる男女が車に荷物を運んでいる様子を見て、留守になった家に侵入し、再び眠る。

同じ頃、レストラン「ウィンキーズ」で食事をしながら話をする2人組の男がいた。そのうちの1人が、このレストランの裏手で恐ろしい男と出くわす夢を見たようである。

2人は夢で見たことが本当に起こるのか、店の裏側へ行ってみることにした。するとそこには全身黒ずくめの怪しい男がおり、2人組のうちの一人は、怪しい男を目にするなり、気絶する。

黒髪の女が眠っているころ、ロサンゼルスの空港に金髪でショートカットの女ベティ・エルムス(ナオミ・ワッツ)が降り立った。機内で仲良くなった老夫婦と別れ、ベティがタクシーで向かう先は叔母ルースの家だ。ルースは有名な女優であり、叔母と同じ女優を夢見るベティは、故郷のオンタリオからハリウッドにやってきたのである。

ルースの部屋は、黒髪の女が忍び込んでいた部屋であった。黒髪の女がシャワーを浴びているところに、管理人のココに鍵をもらい部屋に入ったベティは、床に落ちている黒い服とバッグを見て驚く。しかし、ルースの知り合いだろうと見当をつけ、特に不審に思うことはない。

シャワーから出た黒髪の女は、壁に貼ってある往年の大女優リタ・ヘイワーズのポスターを見て、咄嗟に自分はリタだと名乗る。ベティはリタが頭に怪我していることに気づき、病院に連れて行こうとするが、リタは眠れば大丈夫と断り、また眠ってしまうのであった。

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