初のネイティブアメリカン女優の受賞となるか?
『主演女優賞』
『ナイアド ~その決意は海を越える~』アネット・ベニング
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』リリー・グラッドストーン
『落下の解剖学』ザンドラ・ヒュラー
『マエストロ:その音楽と愛と』キャリー・マリガン
『哀れなるものたち』エマ・ストーン
ヨルゴス・ランティモスの新作映画『哀れなるものたち』がヴェネチア国際映画祭の最高賞・金獅子賞を受賞したとき、本作で主演を務めた女優エマ・ストーンが注目され、賞賛された。そのため彼女がアカデミー賞主演女優賞の座を早くも射止めたかと思われた。
エマ・ストーンはまだ30代前半にもかかわらず、過去にアカデミー賞ノミネートや受賞を果たしたことのある実力派女優で(『女王陛下のお気に入り』、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』ノミネート。『ラ・ラ・ランド』受賞)既に同賞の有力候補だ。
しかし、その状況は大きく変わった。『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』にて、オセージ族の女性モリー役という複雑な役を堂々と演じた女優リリー・グラッドストーンが初のネイティブアメリカンとして同部門に参戦し歴史にその名を残したからだ。
彼女は現在最も注目を浴びるエマ・ストーンからオスカーを奪い取る可能性を十分に秘めている。そんなリリー・グラッドストーンは名優レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロが主演の映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のキャストの中で、最も優れた役者だと評価されている。
この躍進は多くの支持を集めており、既にゴールデン・グローブ賞の受賞を果し、先住民女性として初めて主演女優賞を受賞するという歴史的快挙を達成したグラッドストーンを優勝に導くかもしれない。その他では、映画『マエストロ: その音楽と愛と』にて、作曲家・指揮者・ピアニストのレナード・バーンスタインの妻フェリシア・モンテアレグレ役を好演した女優キャリー・マリガンも人気を博している。
また、カンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムドールを受賞した映画『落下の解剖学』に出演した女優ザンドラ・ヒュラーもノミネートしている。彼女は、今年の注目作品である映画『関心領域』でも重要な脇役を演じている(ロサンゼルス映画批評家協会と全米映画批評家協会で受賞)。そのため、注目作2作品に登場する彼女の貢献に賞が贈られることも十分にあり得る。
『ナイアド その決意は海を越える』のアネット・ベニングは、『バービー』のマーゴット・ロビーを抑え5度目のノミネートを果たしたが、彼女が受賞を逃せば、受賞なし5回目となる。