ホーム » 投稿 » 海外映画 » 劇場公開作品 » ドキュメンタリー映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』THE BAWDIESのROY登壇!

ドキュメンタリー映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』THE BAWDIESのROY登壇!

text by 編集部

後進のロック・ミュージシャンたちに多大な影響を与えた伝説的黒人アーティスト、リトル・リチャード。その偉業と実像を著名ミュージシャンや関係者の証言を交えながら映し出していく映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』の公開記念トークイベントが開催され、THE BAWDIESのROYが登壇した。

「ロックンロールって何?と思ったら
『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』を観てください」

左から吉岡正晴とROY

本作を鑑賞したROYは「ロックンロールとは明るい面だけではなく、苦しみや葛藤、それら感情が表に出て爆発したものだと僕は思っていて、この映画ではその葛藤がしっかりと描かれていた」と絶賛。

ROY

受賞式の場面でリトル・リチャードが涙する映像に「グッと来た」そうで「普段から明るくジョークで笑い飛ばしてヒール的に振舞う彼だからこそ、最後の涙は感動的だった」と痺れていた。

司会を担当した音楽評論家・吉岡正晴も、様々な差別に抗ったリトル・リチャードの半生に触れながら「四重苦ともいえる差別から這い上がってきた彼が最後の最後に評価されて賞をもらって喜びの涙になる。ドキュメンタリーの構成として美しい。僕も最後の涙には込み上げるものがあった」と傑作認定。

吉岡正晴

さらに「リトル・リチャードに影響を受けた著名ミュージシャンの名前はある程度知っていたけれど、リチャード本人が影響を受けたアーティストについて上手く触れている点も良質ドキュメンタリーならでは。かなり深掘りした内容です」と褒めちぎっていた。

またROYは、リトル・リチャードが生み出した歌詞について「チャック・ベリーのように歌詞を考えて言葉遊びを巧みにするのではなく、歌詞に意味を持たせずリズムで持っていく作り方をする人。言葉で伝えるメッセージよりも、音に合わせてみんなで汗かいて踊って笑顔になって前に進む。まさにロックンロールだと思う」と分析。

歌唱法については「ゴスペルの中でも女性シンガーから影響を受けている。そこにリトル・リチャードならではの男性の力強さが上手くミックスされて唯一無二のシンガーになった」と考察した。

左から吉岡正晴とROY

リトル・リチャードの斬新な点を聞かれると「ロックンロールにより激しさを追及したところ。当時はどんなに実力のある黒人歌手であっても、白人の前では黒人色を薄くした歌い方が求められていた。それをリチャードは逆手に取って振り切ってシャウトした。黒人が黒人らしくするのが許されない厳しい時代において、彼のスタイルは相当斬新だったはず」と想像した。

ロックンロールのグルーヴ感は、日本で言うところのお祭りの「わっしょい!」に近いというROY。「ロックンロールは頭で考えることなく体が自然と動き出してしまう音楽。日本のお祭りで『わっしょい!わっしょい!』と言っているときに凄まじいグルーヴ感が生まれるけれど、『わっしょい!』と言っているときにその言葉の意味を考えてはいないはず。意味を考えることなくグルーヴをみんなで共有する感覚は、まさにロックンロール」と日本にもロックンロールが根付く基盤はあると熱弁した。

ROY

改めてROYは本作について「ロックンロールは最高のダンスミュージック。もっと日本に根付いてほしいと思うし、ロックンロールに触れたらみんな好きになる音楽でもあると思う。ロックンロールって何?と思ったら『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』を観てください。すべてがわかります」と大プッシュしていた。

【上映劇場】

※3/27現在
シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ有楽町、立川シネマシティ、札幌シネマフロンティア、シネマ・トーラス、函館シネマアイリス、MOVIX 仙台、小山シネマロブレ、宇都宮ヒカリ座、長野相生座・ロキシー、シネマテークたかさき、シネプレックスつくば、T・ジョイ蘇我、キネマ旬報シアター、ムービル、あつぎのえいがかん kiki、静岡シネ・ギャラリー、シネマイーラ、シネ・ウインド、高田世界館、ミッドランドスクエア シネマ、アップリンク京都、シネマート心斎橋、T・ジョイ梅田、シネ・リーブル神戸、シネマ・クレール、八丁座、シネマルナティック、とさぴくシネマ、KBC シネマ、シネプレックス小倉、シアター・シエマ、T・ジョイパークプレイス大分、Denkikan、宮崎キネマ館、鹿児島ミッテ10、桜坂劇場

【作品情報】

製作・監督:リサ・コルテス(『プレシャス』製作総指揮)
出演:リトル・リチャード、ミック・ジャガー、トム・ジョーンズ、ナイル・ロジャーズ、ノーナ・ヘンドリックス、ビリー・ポーター、ジョン・ウォーターズ
2023年/アメリカ/101分/カラー/ビスタ/5.1ch/DCP/原題:LITTLE RICHARD:I AM EVERYTHING
字幕:堀上香/字幕監修:ピーター・バラカン オリジナル・サウントトラック CD:ユニバーサル クラシックス&ジャズ
提供・配給:キングレコード 宣伝:ポイント・セット little-richard.com
公式サイト
©2023 Cable News Network, Inc. A Warner Bros. Discovery Company All Rights Reserved

【関連記事】
人生を映画化したら面白そうな日本のミュージシャンは? ガチで妄想キャスティング。矢沢永吉や椎名林檎を演じてほしい役者は?
映画『ゴジラ-1.0』は下準備に過ぎなかった…?続編には“あの怪獣” が登場?伏線となり得る要素を徹底考察
BreakingDown・バン仲村が語るバイオレンス映画の見方とは? 心の映画5選【私の人生を変えた珠玉の映画たち】