ホーム » 投稿 » 海外映画 » レビュー » 史上最高のラストシーン…観客をも騙す驚異の脚本術とは? 映画『スティング』徹底考察。わからない部分&テーマ曲も解説 » Page 2

『スティング』【ネタバレあり】あらすじ

映画『スティング』より【Getty Images】
映画スティングよりGetty Images

標的となるロネガンは無類のポーカー好きである。ロネガンが列車の中で行われるポーカー大会に度々参加すると聞いたゴンドーフは、まずその機会に狙いを定める。

ロネガンの参加するポーカーに潜入したゴンドーフは、「ショウ」と名乗り、酔ったふりで相手を油断させ、ロネガンの上を行くいかさまで勝利。そして、車内でビリーに財布をすられていたために負け金を支払えなかったロネガンを挑発して部屋を出る。

「ショウ」の手下として「ケリー」と名乗りロネガンの部屋を訪れたフッカーは、「ショウ」の情婦がロネガンの財布をすったことと、彼を裏切りたいと考えていることを伝える。さらに「ショウ」の経営する賭博場で詐欺を働くことを提案し、翌日詳細を話すことを約束してロネガンと別れる。

フッカーが帰宅すると、ロネガンの手下たちが待ち構えている。すんでのところで逃げ延びるフッカー。ロネガンはフッカー殺害が失敗したことを聞き、一流の殺し屋「サリーノ」を雇うことに決める。なにはともあれ、ロネガンは、先ほど話した「ケリー」がフッカーであることには気づいていない。

翌日ロネガンと落ち合ったフッカーは、電報局との繋がりを利用して「ショウ」の賭博場の勝ち馬の情報を入手できると伝え、テストとして少額を賭けさせて成功させる。その日、ロネガンと別れたフッカーの前にスナイダー刑事が現れ、彼を追い回す。

フッカーを捕えられなかったスナイダー刑事は、後日ゴンドーフを追っていたFBI捜査官ポークに呼び出され、ゴンドーフを陥れるためにフッカーを捕えるよう要請される。

ロネガンから信用を得始めていたフッカーはある夜、なじみの食堂で自分を狙う殺し屋らしき男を発見。新顔のウェイトレス・ロレッタの協力を得て逃げ延びる。しかし翌日とうとうスナイダーに捕らえられ、FBIの事務所に連行される。

そこでルーサーの未亡人であるアルバを見逃す代わりにゴンドーフを裏切るよう命じられる。シーン変わって、釈放されたフッカーはロレッタの部屋を訪れ、一夜を共にする。

作戦の当日、フッカーは賭博場に向かう途中でロレッタに出会い、ハグを交わそうとすると、突如ロレッタの頭部を銃弾が撃ち抜く。

ロレッタを撃ったのは、ゴンドーフの指示でフッカーをつけていたボディーガードであった。なんとロレッタの正体はロネガンに雇われた殺し屋「サリーノ」だったのだ。

賭博場では、電話で勝ち馬の情報を得たロネガンが到着し、50万ドルの大金を賭ける。そこに電報局の担当者が姿を見せ、ロネガンの賭けた馬を確認すると、その馬が間違っていると指摘。慌てて賭けを取り消そうと慌てるロネガンだったが、その時、賭博場にFBI捜査官らとスナイダーが乗り込んでくる。

捜査官らを見てフッカーに裏切られたと悟ったゴンドーフは、フッカーに発砲。FBI捜査官ポークはゴンドーフに発砲し、フッカーとゴンドーフは共に倒れる。掛け金50万ドルを惜しむロネガンを、スナイダーがポークの指示で外へと連れ出す。

2人が去ったのを確認すると、ポークの合図で、フッカーとゴンドーフがゆっくりと起き上がる。FBI捜査官ポークは、実は詐欺師ヒッキーであり、すべてが刑事スナイダーとドイル・ロネガンを相手にした大掛かりな詐欺だったのだ。

見事大仕事を成功させたゴンドーフとフッカーは、偽の賭博場をあとにして、人混みへと軽快に消えて行くのだった。

1 2 3 4 5 6 7